下関市環境部

下関市環境基本条例
  下関市条例第205号 平成17年2月13日

 前文
 第1章 総則
   第1条 目的
   第2条 定義
   第3条 基本理念
   第4条 市民の責務
   第5条 事業者の責務
   第6条 市の責務
 第2章 環境の保全に関する基本的施策
  第1節 施策の基本方針等
   第7条 施策の基本方針
   第8条 環境基本計画
   第9条 施策の策定等に当たっての配慮
   第10条 市民の意見の反映
   第11条 年次報告書
  第2節 環境の保全のための施策等
   第12条 環境影響評価の推進
   第13条 規制の措置
   第14条 助成等の措置
   第15条 環境の保全に関する施設の整備等
   第16条 資源の循環的な利用等の推進
   第17条 環境の保全に関する教育、学習等の推進
   第18条 民間団体等の自発的な活動の促進
   第19条 情報の提供
   第20条 調査の実施及び監視等の体制の整備
   第21条 推進体制の整備
   第22条 国及び他の地方公共団体との協力
  第3節 地球環境保全の推進等
   第23条 地球環境保全への取組
 附 則


私たちの郷土下関は、中国山地を源とする緑あふれる森林や、響灘、周防灘の豊かな海洋と変化に富んだ美しい海岸線に恵まれ、その自然を生かし育みながら、本州と九州の接点としての陸・海上の交通の要衝という地理的な役割を果たすとともに、多くの歴史的な転換の舞台となってきた。
恵み豊かな環境は、自然を構成する様々な要素が、地球という大きな枠の中で密接に関わりあい、微妙な均衡のもとに保たれてきた。しかし、現代の社会経済活動は、資源やエネルギーを大量に消費して、環境への負荷を増大させ、その結果、地域的な環境問題を引き起こすだけでなく、地球全体の生物の生存基盤を脅かすようになっている。
もとより、私たちは、快適で豊かな環境を享受する権利と、その環境を将来の世代へ引き継ぐ責務を有している。
私たち市民一人ひとりがこれまでの生活を省み、その生活様式を見直していくことにより、地球全体の持続的発展が可能な社会を構築し、将来の世代に対して誇ることのできる環境をつくりあげていかなければならない。
ここに、私たちは、自主的、積極的に環境保全活動に取り組み、豊かな森と海の恵みを実感しながら暮らすことのできる快適な環境の形成の実現を目指して、この条例を制定する。

                              
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに市民、事業者及び市の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害を生ずることをいう。

(基本理念)
第3条 環境の保全は、人類を取り巻く環境が、自然の生態系の微妙な均衡のもとに成り立っており、人間の活動により様々な影響を受けるものであることを認識し、広く市民は健全で豊かな環境の恵みを享受できるとともに、この豊かな環境が将来の世代へ継承されるように、適切に行われなければならない。
2 環境の保全は、日常生活や事業活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動が、すべての者の公平な役割分担のもとに自主的かつ積極的に取り組まれることにより、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、経済社会のシステムや生活様式の転換による持続的発展が可能な社会を作っていくことを目指し、行われなければならない。

3 環境の保全は、自然環境が多様な構成要素の密接な関連のもとに調和が保たれていることにかんがみ、人間の活動によって引き起こされる影響に配慮した地域づくりを行うとともに、健全な自然と人とのふれあいを確保することにより、自然と人とが共生できる社会の実現を目指し、行われなければならない。

4 地球環境保全は、市民、事業者及び市が人類共通の課題であることを認識して、すべての日常生活及び事業活動において自主的かつ積極的に推進されなければならない。

(市民の責務)
第4条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減及び快適な環境の形成に資する行動に自ら努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に自主的かつ積極的に協力する責務を有する。

(事業者の責務)
第5条 事業者は、前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、及び廃棄物を適正に処理するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、生産される製品その他のものが廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、生産される製品その他のものが使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動を行うに当たって、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に自主的かつ積極的に協力する責務を有する。

(市の責務)
第6条 市は、基本理念にのっとり、現在及び将来の市民が、豊かな自然環境の中で、健康で文化的な生活が確保できるよう、本市の自然的社会的豊かさを活かして、市民及び事業者との協力のもとに環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、基本理念にのっとり、自らその社会経済活動に際して環境の保全に資する取組を率先して実行するとともに、市民及び事業者の環境の保全及び快適な環境の形成のための取組を支援する責務を有する。


第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針等
(施策の基本方針)
第7条 市は、環境の保全に関する施策を策定し、実施するに当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる施策の基本方針に基づき、総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 人の健康が保護され、生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌等の環境を良好な状態に保持すること。
(2) 人と自然が共生する豊かな生態系を維持するため、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保を図るとともに、豊かな森と海に恵まれた本市の多様な自然環境を保持することにより、人と自然との豊かなふれあいを保つこと。
(3) 廃棄物の減量、資源及びエネルギーの有効利用を推進することにより、環境への負荷の少ない市民生活や事業活動への転換を図ること。
(4) 豊かな地球環境が、将来にわたって健全な状態に保たれるよう、すべての主体が自主的かつ積極的な取組を行うこと。

(環境基本計画)
第8条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する長期的な目標
(2) 環境の保全に関する総合的な施策の展開
(3) 前2号に定めるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ下関市環境審議会条例(平成17年条例第206号)第1条の規定により設置する下関市環境審議会及び市民の意見を聞かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(施策の策定等に当たっての配慮)
第9条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。

(市民の意見の反映)
第10条 市は、環境の保全に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、市民の環境及び生活に関する意見を充分反映させるため、必要な措置を講ずるものとする。

(年次報告書)
第11条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進に資するとともに、市民に環境の状況及び市が環境の保全に関して講じた施策の状況を明らかにするため、毎年度、年次報告書を作成し、公表しなければならない。

第2節 環境の保全のための施策等
(環境影響評価の推進)
第12条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者が、あらかじめその事業による環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、環境の保全について適正に配慮することを促すため、必要な措置を講ずるものとする。

(規制の措置)
第13条 市は、公害の原因となる行為、自然環境の保全に支障となる行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。

(助成等の措置)
第14条 市は、市民又は事業者が、公害の防止のための施設や省エネルギーに資する設備の整備その他環境への負荷の低減のための適切な措置をとることを促すため、適正な経済的な助成及び技術的な支援等の措置を講ずるものとする。

(環境の保全に関する施設の整備等)
第15条 市は、環境の保全上の支障を防止するための公共的施設、下水道、廃棄物の公共的な処理施設及び環境への負荷の低減に資する交通施設の整備の事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、自然環境の保全上の支障を防止するための公共的施設の整備、森林の整備及び絶滅のおそれのある野生動植物の保護増殖のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
3 前2項に定めるもののほか、市は、公園、緑地等の公共的施設の整備その他自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(資源の循環的な利用等の推進)
第16条 市は、持続的発展が可能な社会の実現のため、市民及び事業者自らが、社会経済活動や生活様式を見直し、資源及びエネルギーの消費の抑制、資源の循環的な利用並びに廃棄物の減量化が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境の保全に関する教育,学習等の推進)
第17条 市は、環境の保全に関する教育及び学習の推進並びに環境の保全に関する広報活動の充実により、市民及び事業者が、人と環境のかかわりあい等の基本的な知識を習得するとともに、環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(民間団体等の自発的な活動の促進)
第18条 市は、市民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が、自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)
第19条 市は、民間団体等が環境に関する理解を深め、環境の保全のための適切な活動を行うことを促進するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。

(調査の実施及び監視等の体制の整備)
第20条 市は、過去及び現在の環境の状況の把握、将来の環境の変化の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
2 市は、前項に掲げる調査を実施するため、必要な監視、測定、試験、研究等の体制の整備に努めるものとする。

(推進体制の整備)
第21条 市は、市民及び事業者と連携、協力して、環境の保全に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。

(国及び他の地方公共団体との協力)
第22条 市は、環境の保全を図るための広域的な取組みを必要とする施策について、国及び他の地方公共団体と協力してその推進に努めるものとする。

第3節 地球環境保全の推進等
(地球環境保全への取組)
第23条 市は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境保全に関する施策の推進に努めるものとする。

2 市は、国、県、他の地方公共団体及び民間団体等と協力して、地球環境保全に関する調査、情報提供及び技術協力等を行い、国際協力の推進に努めるものとする。

   附 則
この条例は、公布の日から施行する。


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