○下関市職員倫理規則

平成17年11月10日

規則第393号

(趣旨)

第1条 この規則は、下関市職員倫理条例(平成17年条例第44号。以下「条例」という。)の規定に基づき、職員(条例第2条第1項に規定する職員をいう。以下同じ。)の職務に係る倫理の保持を図るために必要な事項を定めるものとする。

(倫理行動規準)

第2条 職員は、公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、第1号から第4号までに掲げる条例第3条の倫理原則とともに第5号及び第6号に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。

(1) 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならないこと。

(2) 職員は、常に適正な事務の処理に努めるとともに、事務を効率的に行うことにより最大の効果を挙げるようにしなければならないこと。

(3) 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならないこと。

(4) 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないこと。

(5) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、法令等(条例、規則及び規程を含む。)に従い、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。

(6) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。

(利害関係者)

第3条 この規則において、「利害関係者」とは、職員が職務として携わる次の各号に掲げる事務の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。ただし、職員の職務との利害関係が潜在的なものにとどまる者又は職員の裁量の余地が少ない職務に関する者として任命権者(条例第2条第2項に規定する任命権者をいう。以下同じ。)が定める者を除く。

(1) 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等及び下関市行政手続条例(平成17年条例第24号)第2条第5号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等(条例第2条第4項に規定する事業者等及び同条第5項の規定により事業者等とみなされる者をいう。以下同じ。)、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(同条第5項の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

(2) 補助金等(市が市以外の者に交付する補助金、交付金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。以下同じ。)を交付する事務

当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

(3) 立入検査又は監査(法令(条例及び規則を含む。)の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人

(4) 不利益処分(行政手続法第2条第4号に規定する不利益処分及び下関市行政手続条例第2条第6号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名あて人となるべき事業者等又は特定個人

(5) 行政指導(下関市行政手続条例第2条第8号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人

(6) 事業の発達、改善及び調整に関する事務(前各号に掲げる事務を除く。) 当該事業を行っている事業者等

(7) 市の支出の原因となる契約に関する事務又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約に関する事務 これらの契約を締結している事業者等、これらの契約の申込みをしている事業者等及びこれらの契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等

2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して1年間は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。

3 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者でもあるものとみなす。

(禁止行為)

第4条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(中元、歳暮、せん別、祝儀、香典又は供花その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(6) 利害関係者から供応接待を受けること。

(7) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。

(8) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

(9) 利害関係者をして、第三者に対し前各号に掲げる行為をさせること。

2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。

(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。

(2) 多数の者が出席する立食パーティー(飲食物が提供される会合であって立食形式で行われるものをいう。以下同じ。)その他これに類するものにおいて、利害関係者から記念品の贈与を受けること。

(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。

(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)

(5) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。

(6) 多数の者が出席する立食パーティーその他これに類するものにおいて、利害関係者から飲食物の提供を受けること。

(7) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受けること。

3 第1項の規定の適用については、職員(同項第9号に掲げる行為にあっては、同号の第三者。以下この項において同じ。)が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(禁止行為の例外)

第5条 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下同じ。)がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等にかんがみ、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号(第9号を除く。)に掲げる行為を行うことができる。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第6条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる社交の程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。

(職員の職務に係る倫理の保持を阻害する行為等の禁止)

第7条 職員は、他の職員の第4条又は前条の規定に違反する行為によって当該他の職員(第4条第1項第9号の規定に違反する行為にあっては、同号の第三者)が得た財産上の利益であることを知りながら、当該利益の全部若しくは一部を受け取り、又は享受してはならない。

2 職員は、職員の職務に係る倫理の保持に責務を有する者又は上司に対して、自己若しくは他の職員が条例若しくはこの規則に違反する行為を行った疑いがあると思われる事実について、虚偽の申述を行い、又はこれを隠ぺいしてはならない。

3 条例第2条第3項に規定する管理職員は、その管理し、又は監督する職員が条例又はこの規則に違反する行為を行った疑いがあると思われる事実があるときは、これを条例第7条に規定する倫理を監督する職員(以下「倫理監督職員」という。)に報告しなければならない。

(利害関係者と共に飲食をする場合の届出)

第8条 職員は、自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が5,000円を超えるときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、条例第5条第1項各号に掲げる事項を任命権者に届け出なければならない。ただし、やむを得ない事情によりあらかじめ届け出ることができなかったときは、事後において速やかに当該事項を届け出なければならない。

(1) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者と共に飲食をするとき。

(2) 私的な関係がある利害関係者と共に飲食をする場合であって、自己の飲食に要する費用について自己又は自己と私的な関係がある者であって利害関係者に該当しないものが負担するとき。

(講演等に関する規制)

第9条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督職員の承認を得なければならない。

(倫理監督職員への相談)

第10条 職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合、利害関係者との間で行う行為が第4条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合又は第5条に規定する公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては、倫理監督職員に相談し、その指示に従うものとする。

(贈与等の報告)

第11条 条例第5条第1項の規定により規則で定める報酬は、次の各号のいずれかに該当する報酬とする。

(1) 利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬

(2) 利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等の報酬

2 条例第5条第1項第4号の規定により規則で定める事項は、次に掲げる事項とする。

(1) 贈与等(条例第5条第1項に規定する贈与等をいう。以下同じ。)の内容又は報酬(同項に規定する報酬をいう。以下同じ。)の内容

(2) 贈与等をし、又は報酬の支払をした事業者等と当該贈与等又は当該報酬の支払を受けた職員の職務との関係及び当該事業者等と当該職員が属する行政機関との関係

(3) 条例第5条第1項第1号に掲げる価額として推計した額を記載している場合にあっては、その推計の根拠

(4) 供応接待を受けた場合にあっては、当該供応接待を受けた場所の名称及び住所並びに当該供応接待の場に居合わせた者の人数及び職業(多数の者が居合わせた立食パーティー等の場において受けた供応接待にあっては、当該供応接待の場に居合わせた者の概数)

(5) 条例第2条第5項の規定の適用を受ける同項の役員、従業員、代理人その他の者(以下「役員等」という。)が贈与等をした場合にあっては、当該役員等の役職又は地位及び氏名(当該役員等が複数であるときは、当該役員等を代表する者の役職又は地位及び氏名)

(報告書の様式)

第12条 条例第5条第1項の贈与等報告書は、別記様式によるものとする。

(下関市職員倫理審査会)

第13条 下関市職員倫理審査会(以下この条において「審査会」という。)に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめ会長が指名した委員がその職務を代理する。

3 審査会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集する。

4 会議の議長は、会長が務める。

5 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。

6 審査会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

7 審査会の庶務は、総務部職員課において処理する。

(県費負担職員の特例)

第14条 職員のうち、県費負担職員(市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条及び第2条に規定する職員をいう。)の職務に係る倫理の保持を図るための必要な事項は、別に定める。

(その他)

第15条 この規則の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

この規則は、公布の日から施行する。

(平成19年7月24日規則第73号)

この規則は、証券取引法等の一部を改正する法律(平成18年法律第65号)の施行の日から施行する。

(令和3年10月21日規則第90号)

(施行期日)

1 この規則は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この規則の施行の際、この規則による改正前の様式による用紙で、現に残存するものは、なお使用することができる。

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下関市職員倫理規則

平成17年11月10日 規則第393号

(令和3年10月21日施行)