○下関市墓地等の経営の許可等に関する条例
平成20年6月17日
条例第47号
(目的)
第1条 この条例は、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)の規定による墓地、納骨堂又は火葬場(以下「墓地等」という。)の経営の基本原則並びに経営の許可等に係る基準及び手続その他法の施行に関し必要な事項を定めることにより、墓地等の経営の適正を図り、もって公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例における用語の意義は、法の定めるところによる。
(墓地等の経営の基本原則)
第3条 墓地等の経営を行う者は、利用者の安定的な利用に資するため、永続性及び非営利性を確保し、かつ、周辺の生活環境との調和に十分配慮しなければならない。
(経営の主体)
第4条 法第10条第1項の許可(以下「墓地等の経営の許可」という。)を受けて墓地等を経営しようとする者は、墓地等の適正な経営を行うことができると市長が認める者で、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 地方公共団体
(2) 宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項の宗教法人のうち、登記された事務所を3年以上市内に有している法人で、墓地又は納骨堂の経営をしようとするもの
(3) 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第3号の公益法人のうち、登記された事務所を市内に有している法人で、墓地又は納骨堂の経営をしようとするもの
(4) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する市長の認可を受けた地縁による団体で、当該団体の構成員又は構成員の親族が利用する墓地の経営をしようとするもの
(5) 山間地等のへき地であるため付近に利用することができる墓地又は納骨堂がない地域に居住している個人で、小規模かつ自己又は自己の親族が利用する墓地(焼骨を埋蔵するものに限る。)の経営をしようとするもの
(6) 災害の発生又は公共工事の施行によりやむを得ず移転が必要となった墓地等の経営者で、移転先において引続き当該墓地等の経営をしようとするもの
(墓地等の敷地)
第5条 墓地等の敷地は、当該墓地等を経営しようとする者が自ら所有する土地(所有権以外の権利が存しないものに限る。)で、墓地等以外の敷地と明確に区画されているものでなければならない。ただし、市長が特に認めるものについては、この限りでない。
(墓地等の設置場所及び構造設備の基準)
第6条 墓地等の設置場所及び構造設備の基準は、別表第1のとおりとする。ただし、周辺の生活環境との調和に十分配慮されている等の事情から支障がないと市長が特に認めるものについては、この限りでない。
(経営等の許可の申請)
第7条 墓地等の経営の許可を受けようとする者は、規則に定めるところにより、市長に許可の申請をしなければならない。
(経営等の許可の決定)
第8条 市長は、前条の申請があったときは、速やかに内容を審査し、許可又は不許可の決定をし、当該申請をした者に通知するものとする。
2 市長は、前項の許可の決定に際しては、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要な条件を付することができる。
(計画の事前協議等)
第9条 第7条の許可の申請をしようとする者(以下「計画者」という。)は、事前に墓地等の経営に係る計画について市長に説明をしなければならない。ただし、市長が特に認める場合は、この限りでない。
2 計画者は、周辺住民等に当該墓地等の経営に係る計画の説明をしなければならない。
3 計画者は、前項の説明を終了した後に、規則で定める方法により、市長に協議を申し出なければならない。
4 市長は、前項の協議(以下「事前協議」という。)の申出があったときは、当該計画に係る法令規制の状況等について関係機関の意見を聴くものとする。
2 計画者は、墓地等の経営に係る計画及び整備工事の概要について周知を図るため、規則で定める基準により、標識を設置しなければならない。
(整備工事の完了の届出及び検査)
第11条 計画者は、整備工事が完了したときは、市長に届け出て検査を受けなければならない。
2 市長は、検査の結果、当該整備工事がこの条例及び規則で定める基準に適合していると認めるときは、その旨を計画者に通知するものとする。
3 第1項に定めるもののほか、市長は、必要があると認めるときは、整備工事の施工状況について検査を行うことができる。
(変更の許可)
第12条 法第10条第2項の規定による変更の許可(以下「変更の許可」という。)を受けようとする者は、規則に定めるところにより、市長に変更の許可の申請をしなければならない。
(廃止の許可)
第13条 法第10条第2項の規定による廃止の許可(以下「廃止の許可」という。)を受けようとする者は、事前に墓地等の廃止に係る計画について市長に説明を行い、規則に定めるところにより、市長に廃止の許可の申請をしなければならない。
2 市長は、別表第2に定める基準に適合していると認めるときでなければ、廃止の許可をしてはならない。
3 廃止の許可に係る決定については、第8条の規定を準用する。
(経営の承継)
第14条 墓地又は納骨堂の経営を承継させようとする者(以下「被承継者」という。)は廃止の許可を、当該墓地又は納骨堂の経営を承継しようとする者(以下「承継者」という。)は墓地等の経営の許可を受けなければならない。
3 個人が墓地の経営をしている場合における経営者の死亡による経営の承継の手続は、第1項の規定にかかわらず、承継者が市長にその旨を届け出ることにより行うことができる。
(軽微な変更の届出)
第15条 墓地等の経営者は、法第10条第2項の変更に該当しない軽微な変更が生じたときは、その内容を速やかに市長に届け出なければならない。
2 墓地等の経営者は、新聞等で墓地等の利用者の募集の広告を行うときは、規則で定める内容を明示しなければならない。
(墓地等の維持管理)
第17条 墓地等の経営者及び管理者は、規則で定める基準により公衆衛生上支障がないように墓地等を維持管理しなければならない。
2 市長は、違反者が整備工事を行っているときは、直ちに当該整備工事を中止させ、原状回復その他必要な措置を講ずるよう指導することができる。
3 市長は、前2項に規定するもののほか、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要と認める場合は、適切な措置を講ずるよう指導することができる。
4 市長は、前3項のいずれかの規定による指導を受けた者が当該指導に従わないときは、これに従うよう勧告を行うことができる。
(公表等)
第19条 市長は、前条第4項に規定する勧告を受けた者が正当な理由なくこれに従わないときは、法第19条に規定する命令若しくは取消しをし、又は規則で定める事項を公表することができる。
(報告の徴収)
第20条 市長は、必要があると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、墓地等の経営者に対し、墓地等の経営に関する報告を求めることができる。
(立入検査)
第21条 市長は、必要があると認めるときは、この条例の施行に必要な限度において、その職員に墓地又は納骨堂に立ち入り、その施設、帳簿、書類その他の物件を検査させること(以下「立入検査」という。)ができる。墓地等の経営の許可又は変更の許可を受けようとする区域又は施設についても、同様とする。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 関係人は、正当な事由がない限り、第1項の規定による立入検査に協力しなければならない。
4 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(みなし許可に係る届出)
第22条 法第11条の規定により法第10条の許可があったものとみなされる墓地又は火葬場の新設、変更又は廃止があったときは、当該墓地又は火葬場の経営者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成20年10月1日から施行する。
3 平成20年10月1日から平成20年11月30日までの間において、第4条第3号中「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第3号の公益法人」とあるのは、「民法(明治29年法律第89号)第34条の法人」とする。
別表第1(第6条関係)
1 設置場所及び構造設備の基準
種別 | 設置場所 | 構造設備 |
墓地 | ア 鉄道、国道、主要な地方道、河川及び海岸から50m以上離れた場所であること。 イ 公園、学校、病院その他公共的施設及び住宅から100m以上離れた場所であること。 ウ 高燥かつ飲料水を汚染するおそれがない場所であること。 エ 規則に定める場所以外の場所であること。 | ア 周囲は、外部と明確な区画がなされ、かつ、外部から見通すことができない構造とすること。 イ 墓地内には、各墳墓に接続する通路を設け、その幅員は、1m以上とすること。 ウ 墓地内に排水設備を有し、墓地内からの土砂の流出を防止し、かつ、雨水その他の地表水が停滞しない構造であること。 エ がけ崩れ又は土砂の流出による災害を防止するため、擁壁の設置等安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。 オ 墓地の区域内には、墓地の利用者が使用しやすい位置に使用水の施設、ごみ集積場等を設けること。 カ 区域面積が2,000m2以上の墓地の構造設備は、アからオまでに掲げるもののほか、2 区域面積が2,000m2以上の墓地の構造設備の基準の表に定める構造設備によるものとする。ただし、拡張することにより2,000m2以上の面積となる場合で、周辺の生活環境との調和が十分配慮され、公衆衛生上支障がないと市長が認めるときは、この限りでない。 キ 埋葬を行う墳墓については、埋葬を行う場合の覆土の厚さが1m以上となる構造であること。 ク アからキまでに掲げるもののほか、市長が必要と認める基準 |
納骨堂 | ア 公園、学校、病院その他公共的施設及び住宅から50m以上離れた場所であること。 イ 規則に定める場所以外の場所であること。 | ア 耐火建築構造とすること。 イ 出入口は、施錠できる構造であること。 ウ 適当な換気設備を設けること。 |
火葬場 | ア 公園、学校、病院その他公共的施設及び住宅から220m以上離れた場所であること。 イ 規則に定める場所以外の場所であること。 | ア 周囲には、塀又は生垣が設けられていること。 イ 火葬炉には、防臭及び防じんの設備等環境保全上支障がない設備が設けられていること。 |
2 区域面積が2,000m2以上の墓地の構造設備の基準
種別 | 構造設備 |
墓地 | ア 墓地の区域内には、管理事務所を設け、墓地の利用者が使用しやすい位置に便所、休憩所等を配置すること。 イ 墓地を利用しやすい位置に、おおむね墳墓数に0.05を乗じて得た数以上の駐車台数を有する駐車場を設けること。 ウ 墓地の区域内に自動車を乗り入れる構造である場合には、自動車用通路の幅員は4m以上とすること。 エ 1 設置場所及び構造設備の基準の表に規定する外部から見通すことのできない構造の周囲の設備に接し、その内側に4m以上の幅の緑地帯を設けること。ただし、土地の形状及び墳墓の設置状況により周辺の生活環境との調和が十分配慮され公衆衛生上支障がないと市長が特に認めるものについては、この限りでない。 |
別表第2(第13条関係)
種別 | 廃止の許可の基準 |
墓地 納骨堂 | ア 廃止に関し規約等に定められた所要の手続を経ていること。 イ 利用者全員の同意を得ていること。 ウ 改葬の手続が完了していること。 エ 墳墓、建物及びその他の施設を撤去していること。 オ その他市長が必要と認める基準 |
火葬場 | ア 廃止に関し規約等に定められた所要の手続を経ていること。 イ その他市長が必要と認める基準 |