○下関市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例

平成24年12月25日

条例第60号

目次

第1章 趣旨(第1条)

第2章 基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準(第2条―第31条の2)

第3章 ユニット型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第32条―第42条)

第4章 地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第43条―第48条)

第5章 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第49条―第52条)

第6章 雑則(第53条)

附則

第1章 趣旨

第1条 この条例は、老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第17条第1項の規定に基づき、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定めるものとする。

第2章 基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準

(基本方針)

第2条 特別養護老人ホーム(法第20条の5に規定する特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)は、入所者に対し、健全な環境の下で、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇を行うよう努めなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

3 特別養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って処遇を行うように努めなければならない。

4 特別養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

5 特別養護老人ホームは、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

(構造設備の一般原則)

第3条 特別養護老人ホームの配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等の入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。

(設備の専用)

第4条 特別養護老人ホームの設備は、専ら当該特別養護老人ホームの用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(職員の資格要件)

第5条 特別養護老人ホームの長(以下「施設長」という。)は、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

2 生活相談員は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

3 機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。

(職員の専従)

第6条 特別養護老人ホームの職員は、専ら当該特別養護老人ホームの職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(運営規程)

第7条 特別養護老人ホームは、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的及び運営の方針

(2) 職員の職種、数及び職務の内容

(3) 入所定員

(4) 入所者の処遇の内容及び費用の額

(5) 施設の利用に当たっての留意事項

(6) 緊急時等における対応方法

(7) 非常災害対策

(8) 虐待の防止のための措置に関する事項

(9) その他施設の運営に関する重要事項

(非常災害対策)

第8条 特別養護老人ホームは、消火器、非常口その他の非常災害に対する必要な設備を設けるとともに、周辺の地域の環境及び入所者の特性等に応じて、地震、風水害、火災その他の災害が発生した場合における安全の確保のための体制及び避難の方法等を定めた防災計画(以下「施設内防災計画」という。)を策定しなければならない。

2 特別養護老人ホームは、施設内防災計画に基づき、非常災害時の関係機関への通報及び連絡の体制並びに入所者を円滑に避難誘導するための体制を整備し、これらの体制について定期的に職員及び入所者等に周知するとともに、市等との連携協力体制を整備しなければならない。

3 特別養護老人ホームは、非常災害に備えるため、これに対する不断の注意と訓練をするよう努めなければならない。

4 前項の訓練のうち、避難及び消火の訓練は、定期的に行わなければならない。

5 特別養護老人ホームは、前2項の訓練の実施に当たっては、地域住民の参加が得られるよう努めなければならない。

6 特別養護老人ホームは、第3項及び第4項の訓練の結果に基づき、施設内防災計画の検証及び必要な見直しを行わなければならない。

(記録の整備)

第9条 特別養護老人ホームは、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇の状況に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。

(1) 入所者の処遇に関する計画

(2) 行った具体的な処遇の内容等の記録

(3) 第15条第5項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録

(4) 第29条第2項に規定する苦情の内容等の記録

(5) 第31条第3項に規定する事故の状況及び事故に際してとった処置についての記録

(設備の基準)

第10条 特別養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)でなければならない。ただし、次の各号のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建ての特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)とすることができる。

(1) 居室その他の入所者の日常生活に充てられる場所(以下「居室等」という。)を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 居室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 当該特別養護老人ホームの所在地を管轄する消防長又は消防署長と協議の上、施設内防災計画に入所者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 第8条第4項に規定する訓練については、施設内防災計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されているものであると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、次に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) 居室

(2) 静養室(居室で静養することが一時的に困難な心身の状況にある入所者を静養させることを目的とする設備をいう。以下同じ。)

(3) 食堂

(4) 浴室

(5) 洗面設備

(6) 便所

(7) 医務室

(8) 調理室

(9) 介護職員室

(10) 看護職員室

(11) 機能訓練室

(12) 面談室

(13) 洗濯室又は洗濯場

(14) 汚物処理室

(15) 介護材料室

(16) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 居室

 1の居室の定員は、1人とすること。ただし、入所者へのサービスの提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。

 地階に設けてはならないこと。

 入所者1人当たりの床面積は、10.65平方メートル以上とすること。

 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。

 床面積の14分の1以上に相当する面積を直接外気に面して開放できるようにすること。

 入所者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

 ブザー又はこれに代わる設備を設けること。

(2) 静養室

 介護職員室又は看護職員室に近接して設けること。

 に定めるもののほか、前号イ及びからまでに定めるところによること。

(3) 浴室は、介護を必要とする者の入浴に適したものとすること。

(4) 洗面設備

 居室のある階ごとに設けること。

 介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(5) 便所

 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

 ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(6) 医務室

 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第2項に規定する診療所とすること。

 入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。

(7) 調理室は、火気を使用する部分に不燃材料を用いること。

(8) 介護職員室

 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

 必要な備品を備えること。

(9) 食堂及び機能訓練室

 食堂及び機能訓練室は、それぞれ必要な広さを有するものとし、その合計した面積は、3平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上とすること。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができる。

 必要な備品を備えること。

5 居室、静養室、食堂、浴室及び機能訓練室(以下「居室、静養室等」という。)は、3階以上の階に設けてはならない。ただし、次の各号のいずれにも該当する建物に設けられる居室、静養室等については、この限りでない。

(1) 居室等のある3階以上の各階に通ずる特別避難階段(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第3項の特別避難階段をいう。以下同じ。)を2以上(防災上有効な傾斜路を有する場合又は車椅子若しくはストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニー及び屋外に設ける避難階段(同条第2項の屋外に設ける避難階段をいう。以下同じ。)を有する場合は、1以上)有すること。

(2) 3階以上の階にある居室等及びこれから地上に通ずる廊下その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でしていること。

(3) 居室等のある3階以上の各階が耐火構造の壁又は建築基準法施行令第112条第1項に規定する特定防火設備(以下「特定防火設備」という。)により防災上有効に区画されていること。

6 前各項に規定するもののほか、特別養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。

(1) 廊下の幅は、1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、2.7メートル以上とすること。

(2) 廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。

(3) 廊下及び階段には、手すりを設けること。

(4) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(5) 居室、静養室等が2階以上の階にある場合は、1以上の傾斜路を設けること。ただし、エレベーターを設ける場合は、この限りでない。

(職員の配置の基準)

第11条 特別養護老人ホームには、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、入所定員が40人を超えない特別養護老人ホームにあっては、他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、第5号の栄養士を置かないことができる。

(1) 施設長 1

(2) 医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数

(3) 生活相談員 入所者の数が100又はその端数を増すごとに1以上

(4) 介護職員又は看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」という。)

 介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上とすること。

 看護職員の数は、次のとおりとすること。

(ア) 入所者の数が30を超えない特別養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、1以上

(イ) 入所者の数が30を超えて50を超えない特別養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、2以上

(ウ) 入所者の数が50を超えて130を超えない特別養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、3以上

(エ) 入所者の数が130を超える特別養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、3に、入所者の数が130を超えて50又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上

(5) 栄養士 1以上

(6) 機能訓練指導員 1以上

(7) 調理員、事務員その他の職員 当該特別養護老人ホームの実情に応じた適当数

2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規設置又は再開の場合は、推定数による。

3 第1項の常勤換算方法とは、当該職員のそれぞれの勤務延べ時間数の総数を当該特別養護老人ホームにおいて常勤の職員が勤務すべき時間数で除することにより常勤の職員の数に換算する方法をいう。

4 第1項第1号の施設長及び同項第3号の生活相談員は、常勤の者でなければならない。

5 第1項第4号の看護職員のうち、1人以上は、常勤の者でなければならない。

6 第1項第6号の機能訓練指導員は、当該特別養護老人ホームの他の職務に従事することができる。

7 第1項第2号の医師及び同項第7号の調理員、事務員その他の職員の数は、サテライト型居住施設(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第28項の介護老人保健施設をいう。以下同じ。)若しくは介護医療院(同条第29項の介護医療院をいう。以下同じ。)又は病院若しくは診療所であって当該施設に対する支援機能を有するもの(以下「本体施設」という。)と密接な連携を確保しつつ、本体施設とは別の場所で運営される地域密着型特別養護老人ホーム(入所定員が29人以下の特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の本体施設である特別養護老人ホームであって、当該サテライト型居住施設に医師又は調理員、事務員その他の職員を置かない場合にあっては、特別養護老人ホームの入所者の数及び当該サテライト型居住施設の入所者の数の合計数を基礎として算出しなければならない。

(サービス提供困難時の対応)

第12条 特別養護老人ホームは、入所予定者が入院治療を必要とする場合その他入所予定者に対し自ら適切な便宜を提供することが困難である場合は、適切な病院若しくは診療所又は介護老人保健施設若しくは介護医療院を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。

(入退所)

第13条 特別養護老人ホームは、入所予定者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援(介護保険法第8条第24項に規定する居宅介護支援をいう。以下同じ。)を行う者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(同項に規定する指定居宅サービス等をいう。)の利用状況等の把握に努めなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討しなければならない。

3 前項の検討に当たっては、生活相談員、介護職員、看護職員等の職員の間で協議しなければならない。

4 特別養護老人ホームは、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。

5 特別養護老人ホームは、入所者の退所に際しては、居宅サービス計画(介護保険法第8条第24項に規定する居宅サービス計画をいう。)の作成等の援助に資するため、居宅介護支援を行う者に対する情報の提供に努めるほか、その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

(入所者の処遇に関する計画)

第14条 特別養護老人ホームは、入所者について、その心身の状況、その置かれている環境、その者及びその家族の希望等を勘案し、その者の同意を得て、その者の処遇に関する計画を作成しなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画について、入所者の処遇の状況等を勘案し、必要な見直しを行わなければならない。

(処遇の方針)

第15条 特別養護老人ホームは、入所者について、その者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等に応じて、その者の処遇を適切に行わなければならない。

2 入所者の処遇は、入所者の処遇に関する計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行わなければならない。

3 特別養護老人ホームの職員は、入所者の処遇に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

4 特別養護老人ホームは、入所者の処遇に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

5 特別養護老人ホームは、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

6 特別養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行う場合のものを含む。)を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の職員に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の職員に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

7 特別養護老人ホームは、自らその行う処遇の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(介護)

第16条 介護は、入所者の自立の支援及び日常生活の充実に資するよう、入所者の心身の状況に応じて、適切な技術をもって行われなければならない。

2 特別養護老人ホームは、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。

3 特別養護老人ホームは、入所者に対し、その心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。

4 特別養護老人ホームは、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。

5 特別養護老人ホームは、じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

6 特別養護老人ホームは、入所者に対し、前各項に規定するもののほか、離床、着替え、整容等の介護を適切に行わなければならない。

7 特別養護老人ホームは、常時1人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない。

8 特別養護老人ホームは、入所者に対し、その負担により、当該特別養護老人ホームの職員以外の者による介護を受けさせてはならない。

(食事)

第17条 特別養護老人ホームは、栄養並びに入所者の心身の状況及び好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者が可能な限り離床して、食堂で食事をとることを支援しなければならない。

(相談及び援助)

第18条 特別養護老人ホームは、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

(社会生活上の便宜の提供等)

第19条 特別養護老人ホームは、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行わなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者が日常生活を営むのに必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族において行うことが困難である場合は、その者の同意を得て、代わって行わなければならない。

3 特別養護老人ホームは、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

4 特別養護老人ホームは、入所者の外出の機会を確保するよう努めなければならない。

(機能訓練)

第20条 特別養護老人ホームは、入所者に対し、その心身の状況等に応じて、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行わなければならない。

(健康管理)

第21条 特別養護老人ホームの医師又は看護職員は、常に入所者の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置をとらなければならない。

(入所者の入院期間中の取扱い)

第22条 特別養護老人ホームは、入所者について、病院又は診療所に入院する必要が生じた場合であって、入院後おおむね3月以内に退院することが明らかに見込まれるときは、その者及びその家族の希望等を勘案し、必要に応じて適切な便宜を供与するとともに、やむを得ない事情がある場合を除き、退院後再び当該特別養護老人ホームに円滑に入所することができるようにしなければならない。

(緊急時等の対応)

第22条の2 特別養護老人ホームは、現に処遇を行っているときに入所者の病状の急変が生じた場合その他必要な場合のため、あらかじめ、第11条第1項第2号に掲げる医師との連携方法その他の緊急時等における対応方法を定めておかなければならない。

(施設長の責務)

第23条 特別養護老人ホームの施設長は、特別養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 特別養護老人ホームの施設長は、職員に第7条から第9条まで及び第12条から第31条の2までの規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

(勤務体制の確保等)

第24条 特別養護老人ホームは、入所者に対し、適切な処遇を行うことができるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 特別養護老人ホームは、当該特別養護老人ホームの職員によって処遇を行わなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

3 特別養護老人ホームは、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。この場合において、当該特別養護老人ホームは、全ての職員(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護保険法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

4 特別養護老人ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

(業務継続計画の策定等)

第24条の2 特別養護老人ホームは、感染症や非常災害の発生時において、入所者に対するサービスの提供を継続的に実施し、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。

2 特別養護老人ホームは、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。

3 特別養護老人ホームは、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。

(定員の遵守)

第25条 特別養護老人ホームは、入所定員及び居室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(衛生管理等)

第26条 特別養護老人ホームは、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。

2 特別養護老人ホームは、当該特別養護老人ホームにおいて感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該特別養護老人ホームにおける感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行う場合のものを含む。)をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の職員に周知徹底を図ること。

(2) 当該特別養護老人ホームにおける感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該特別養護老人ホームにおいて、介護職員その他の職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修並びに感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。

(協力病院等)

第27条 特別養護老人ホームは、入院治療を必要とする入所者のために、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。

2 特別養護老人ホームは、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

(秘密保持等)

第28条 特別養護老人ホームの職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 特別養護老人ホームは、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(苦情処理)

第29条 特別養護老人ホームは、その行った処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。

2 特別養護老人ホームは、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 特別養護老人ホームは、その行った処遇に関し、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 特別養護老人ホームは、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。

(地域との連携等)

第30条 特別養護老人ホームは、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流を図らなければならない。

2 特別養護老人ホームは、その運営に当たっては、その提供したサービスに関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(事故発生の防止及び発生時の対応)

第31条 特別養護老人ホームは、事故の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。

(2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通じた改善策について、職員に周知徹底を図る体制を整備すること。

(3) 事故発生の防止のための委員会(テレビ電話装置等を活用して行う場合のものを含む。)及び職員に対する研修を定期的に行うこと。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。

3 特別養護老人ホームは、前項の事故の状況及び事故に際してとった処置について記録しなければならない。

4 特別養護老人ホームは、入所者の処遇により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(虐待の防止)

第31条の2 特別養護老人ホームは、虐待の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該特別養護老人ホームにおける虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行う場合のものを含む。)を定期的に開催するとともに、その結果について、介護職員その他の職員に周知徹底を図ること。

(2) 当該特別養護老人ホームにおける虐待の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該特別養護老人ホームにおいて、介護職員その他の職員に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

第3章 ユニット型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第32条 前章(第11条を除く。)の規定にかかわらず、ユニット型特別養護老人ホーム(施設の全部において少数の居室及び当該居室に近接して設けられる共同生活室(当該居室の入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所をいう。以下同じ。)により一体的に構成される場所(以下「ユニット」という。)ごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(基本方針)

第33条 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、入居者へのサービスの提供に関する計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

(運営規程)

第34条 ユニット型特別養護老人ホームは、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的及び運営の方針

(2) 職員の職種、数及び職務の内容

(3) 入居定員

(4) ユニットの数及びユニットごとの入居定員

(5) 入居者へのサービスの提供の内容及び費用の額

(6) 施設の利用に当たっての留意事項

(7) 緊急時等における対応方法

(8) 非常災害対策

(9) 虐待の防止のための措置に関する事項

(10) その他施設の運営に関する重要事項

(設備の基準)

第35条 ユニット型特別養護老人ホームの建物(入居者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、次の各号のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

(1) 居室等を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 居室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 当該ユニット型特別養護老人ホームの所在地を管轄する消防長又は消防署長と協議の上、施設内防災計画に入居者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 第42条において準用する第8条第4項に規定する訓練については、施設内防災計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されているものであると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 ユニット型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該ユニット型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者へのサービスの提供に支障がないときは、第2号から第8号までに掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) ユニット

(2) 浴室

(3) 医務室

(4) 調理室

(5) 洗濯室又は洗濯場

(6) 汚物処理室

(7) 介護材料室

(8) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

(1) ユニット

 居室

(ア) 1の居室の定員は、1人とすること。ただし、入居者へのサービスの提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。

(イ) 居室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けること。ただし、1のユニットの入居定員は、原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとする。

(ウ) 地階に設けてはならないこと。

(エ) 1の居室の床面積等は、10.65平方メートル以上とすること。ただし、(ア)ただし書の場合にあっては、21.3平方メートル以上とすること。

(オ) 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

(カ) 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下、共同生活室又は広間に直接面して設けること。

(キ) 床面積の14分の1以上に相当する面積を直接外気に面して開放できるようにすること。

(ク) 必要に応じて入居者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

(ケ) ブザー又はこれに代わる設備を設けること。

 共同生活室

(ア) 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。

(イ) 地階に設けてはならないこと。

(ウ) 1の共同生活室の床面積は、2平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。

(エ) 必要な設備及び備品を備えること。

 洗面設備

(ア) 居室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数を設けること。

(イ) 介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

 便所

(ア) 居室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数を設けること。

(イ) ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(2) 浴室は、介護を必要とする者の入浴に適したものとすること。

(3) 医務室

 医療法第1条の5第2項に規定する診療所とすること。

 入居者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。

(4) 調理室は、火気を使用する部分に不燃材料を用いること。

5 ユニット及び浴室は、3階以上の階に設けてはならない。ただし、次の各号のいずれにも該当する建物に設けられるユニット又は浴室については、この限りでない。

(1) ユニット又は浴室のある3階以上の各階に通ずる特別避難階段を2以上(防災上有効な傾斜路を有する場合又は車椅子若しくはストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニー及び屋外に設ける避難階段を有する場合は、1以上)有すること。

(2) 3階以上の階にあるユニット又は浴室及びこれらから地上に通ずる廊下その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でしていること。

(3) ユニット又は浴室のある3階以上の各階が耐火構造の壁又は特定防火設備により防災上有効に区画されていること。

6 前各項に規定するもののほか、ユニット型特別養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。

(1) 廊下の幅は、1.8メートル以上(中廊下にあっては、2.7メートル以上)とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、職員等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合には、1.5メートル以上(中廊下にあっては、1.8メートル以上)として差し支えない。

(2) 廊下、共同生活室、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。

(3) 廊下及び階段には手すりを設けること。

(4) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(5) ユニット又は浴室が2階以上の階にある場合は、1以上の傾斜路を設けること。ただし、エレベーターを設ける場合は、この限りでない。

(サービスの取扱方針)

第36条 入居者へのサービスの提供は、入居者が、その有する能力に応じて、自らの生活様式及び生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、入居者へのサービスの提供に関する計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。

2 入居者へのサービスの提供は、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。

3 入居者へのサービスの提供は、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。

4 入居者へのサービスの提供は、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

5 ユニット型特別養護老人ホームの職員は、入居者へのサービスの提供に当たって、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

6 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者へのサービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

7 ユニット型特別養護老人ホームは、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

8 ユニット型特別養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行う場合のものを含む。)を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の職員に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の職員に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

9 ユニット型特別養護老人ホームは、自らその提供するサービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(介護)

第37条 介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の心身の状況等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の日常生活における家事を、入居者が、その心身の状況等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合には、清拭を行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。

4 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。

5 ユニット型特別養護老人ホームは、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない。

6 ユニット型特別養護老人ホームは、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

7 ユニット型特別養護老人ホームは、前各項に規定するもののほか、入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。

8 ユニット型特別養護老人ホームは、常時1人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない。

9 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者に対し、その負担により、当該ユニット型特別養護老人ホームの職員以外の者による介護を受けさせてはならない。

(食事)

第38条 ユニット型特別養護老人ホームは、栄養並びに入居者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を提供しなければならない。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の心身の状況に応じて、適切な方法により、食事の自立について必要な支援を行わなければならない。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に食事を提供するとともに、入居者がその心身の状況に応じてできる限り自立して食事をとることができるよう必要な時間を確保しなければならない。

4 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事をとることを支援しなければならない。

(社会生活上の便宜の提供等)

第39条 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の嗜好に応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならない。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者が日常生活を営むのに必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族が行うことが困難である場合は、その者の同意を得て、代わって行わなければならない。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、常に入居者の家族との連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

4 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の外出の機会を確保するよう努めなければならない。

(勤務体制の確保等)

第40条 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者に対し、適切なサービスを提供することができるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 前項の職員の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する観点から、次に定める職員配置を行わなければならない。

(1) 昼間については、ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置すること。

(2) 夜間及び深夜については、2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤務に従事する職員として配置すること。

(3) ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置すること。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、当該ユニット型特別養護老人ホームの職員によってサービスを提供しなければならない。ただし、入居者へのサービスの提供に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

4 ユニット型特別養護老人ホームは、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。この場合において、当該ユニット型特別養護老人ホームは、全ての職員(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護保険法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

5 ユニット型特別養護老人ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

(定員の遵守)

第41条 ユニット型特別養護老人ホームは、ユニットごとの入居定員及び居室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(準用)

第42条 第3条から第6条まで、第8条第9条第12条から第14条まで、第18条第20条から第23条まで、第24条の2及び第26条から第31条の2までの規定は、ユニット型特別養護老人ホームについて準用する。この場合において、第9条第2項第3号中「第15条第5項」とあるのは「第36条第7項」と、同項第4号中「第29条第2項」とあるのは「第42条において準用する第29条第2項」と、同項第5号中「第31条第3項」とあるのは「第42条において準用する第31条第3項」と、第23条第2項中「第7条から第9条まで及び第12条から第31条の2まで」とあるのは「第34条及び第36条から第41条まで並びに第42条において準用する第8条、第9条、第12条から第14条まで、第18条、第20条から第23条まで、第24条の2及び第26条から第31条の2まで」と読み替えるものとする。

第4章 地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第43条 第2章及び第3章の規定にかかわらず、地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(設備の基準)

第44条 地域密着型特別養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、次の各号のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

(1) 居室等を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 居室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 当該地域密着型特別養護老人ホームの所在地を管轄する消防長又は消防署長と協議の上、施設内防災計画に入所者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 第48条において準用する第8条第4項に規定する訓練については、施設内防災計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されているものであると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、次に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) 居室

(2) 静養室

(3) 食堂

(4) 浴室

(5) 洗面設備

(6) 便所

(7) 医務室

(8) 調理室

(9) 介護職員室

(10) 看護職員室

(11) 機能訓練室

(12) 面談室

(13) 洗濯室又は洗濯場

(14) 汚物処理室

(15) 介護材料室

(16) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 居室

 1の居室の定員は、1人とすること。ただし、入所者へのサービスの提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。

 地階に設けてはならないこと。

 入所者1人当たりの床面積は、10.65平方メートル以上とすること。

 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。

 床面積の14分の1以上に相当する面積を直接外気に面して開放できるようにすること。

 入所者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

 ブザー又はこれに代わる設備を設けること。

(2) 静養室

 介護職員室又は看護職員室に近接して設けること。

 に定めるもののほか、前号イ及びからまでに定めるところによること。

(3) 浴室は、介護を必要とする者の入浴に適したものとすること。

(4) 洗面設備

 居室のある階ごとに設けること。

 介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(5) 便所

 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

 ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(6) 医務室は、医療法第1条の5第2項に規定する診療所とすることとし、入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。ただし、本体施設が特別養護老人ホームであるサテライト型居住施設については、医務室を必要とせず、入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けることで足りるものとする。

(7) 調理室

 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

 サテライト型居住施設の調理室については、本体施設の調理室で調理する場合であって、運搬手段について衛生上適切な措置がなされているときは、簡易な調理設備を設けることで足りるものとする。

(8) 介護職員室

 居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

 必要な備品を備えること。

(9) 食堂及び機能訓練室

 食堂及び機能訓練室は、それぞれ必要な広さを有するものとし、その合計した面積は、3平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上とすること。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができる。

 必要な備品を備えること。

5 居室、静養室等は、3階以上の階に設けてはならない。ただし、次の各号のいずれにも該当する建物に設けられる居室、静養室等については、この限りでない。

(1) 居室、静養室等のある3階以上の各階に通ずる特別避難階段を2以上(防災上有効な傾斜路を有する場合又は車椅子若しくはストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニー及び屋外に設ける避難階段を有する場合は、1以上)有すること。

(2) 3階以上の階にある居室、静養室等及びこれから地上に通ずる廊下その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でしていること。

(3) 居室、静養室等のある3階以上の各階が耐火構造の壁又は特定防火設備により防災上有効に区画されていること。

6 前各項に規定するもののほか、地域密着型特別養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。

(1) 廊下の幅は、1.5メートル以上(中廊下にあっては1.8メートル以上)とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張すること等により、入所者、職員等の円滑な往来に支障が生じないと認められるときは、これによらないことができる。

(2) 廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。

(3) 廊下及び階段には、手すりを設けること。

(4) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(5) 居室、静養室等が2階以上の階にある場合は、1以上の傾斜路を設けること。ただし、エレベーターを設ける場合は、この限りでない。

7 本体施設とサテライト型居住施設との間の距離は、両施設が密接な連携を確保できる範囲内としなければならない。

(職員の配置の基準)

第45条 地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、第5号の栄養士を置かないことができる。

(1) 施設長 1

(2) 医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数

(3) 生活相談員 1以上

(4) 介護職員又は看護職員

 介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上とすること。

 看護職員の数は、1以上とすること。

(5) 栄養士 1以上

(6) 機能訓練指導員 1以上

(7) 調理員、事務員その他の職員 当該地域密着型特別養護老人ホームの実情に応じた適当数

2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規設置又は再開の場合は、推定数による。

3 第1項第6項及び第8項の常勤換算方法とは、当該職員のそれぞれの勤務延べ時間数の総数を当該地域密着型特別養護老人ホームにおいて常勤の職員が勤務すべき時間数で除することにより常勤の職員の数に換算する方法をいう。

4 第1項第1号の施設長は、常勤の者でなければならない。

5 第1項第2号の規定にかかわらず、サテライト型居住施設の医師については、本体施設の医師により当該サテライト型居住施設の入所者の健康管理が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。

6 第1項第3号の生活相談員は、常勤の者でなければならない。ただし、サテライト型居住施設にあっては、常勤換算方法で1以上とする。

7 第1項第4号の介護職員のうち、1人以上は、常勤の者でなければならない。

8 第1項第4号の看護職員のうち、1人以上は、常勤の者でなければならない。ただし、サテライト型居住施設にあっては、常勤換算方法で1以上とする。

9 第1項第3号及び第5号から第7号までの規定にかかわらず、サテライト型居住施設の生活相談員、栄養士、機能訓練指導員又は調理員、事務員その他の職員については、次の各号に掲げる本体施設の区分に応じ、当該各号に定める職員により当該サテライト型居住施設の入所者の処遇が適切に行われていると認められるときは、これを置かないことができる。

(1) 特別養護老人ホーム 生活相談員、栄養士、機能訓練指導員又は調理員、事務員その他の職員

(2) 介護老人保健施設 支援相談員、栄養士、理学療法士若しくは作業療法士又は調理員、事務員その他の従業者

(3) 介護医療院 栄養士又は調理員、事務員その他の従業者

(4) 病院 栄養士(病床数100以上の病院の場合に限る。)

(5) 診療所 事務員その他の従業者

10 第1項第6号の機能訓練指導員は、当該地域密着型特別養護老人ホームの他の職務に従事することができる。

11 地域密着型特別養護老人ホームに下関市指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例(平成24年条例第70号。以下「指定居宅サービス等条例」という。)第148条第1項に規定する指定短期入所生活介護事業所又は下関市指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例(平成24年条例第71号。以下「指定介護予防サービス等条例」という。)第130条第1項に規定する指定介護予防短期入所生活介護事業所(以下「指定短期入所生活介護事業所等」という。)が併設される場合においては、当該指定短期入所生活介護事業所等の医師については、当該地域密着型特別養護老人ホームの医師により当該指定短期入所生活介護事業所等の利用者の健康管理が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。

12 地域密着型特別養護老人ホームに指定居宅サービス等条例第100条第1項に規定する指定通所介護事業所、指定短期入所生活介護事業所等又は下関市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例(平成24年条例第72号。以下「指定地域密着型サービス条例」という。)第60条の3第1項に規定する指定地域密着型通所介護事業所若しくは指定地域密着型サービス条例第62条第1項に規定する併設型指定認知症対応型通所介護の事業を行う事業所若しくは下関市指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例(平成24年条例第73号。以下「指定地域密着型介護予防サービス条例」という。)第6条第1項に規定する併設型指定介護予防認知症対応型通所介護の事業を行う事業所が併設される場合においては、当該併設される事業所の生活相談員、栄養士、機能訓練指導員又は調理員その他の従業者については、当該地域密着型特別養護老人ホームの生活相談員、栄養士、機能訓練指導員又は調理員、事務員その他の職員により当該事業所の利用者の処遇が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。

13 地域密着型特別養護老人ホームに併設される指定短期入所生活介護事業所等の入所定員は、当該地域密着型特別養護老人ホームの入所定員と同数を上限とする。

14 地域密着型特別養護老人ホームに指定地域密着型サービス条例第83条第1項に規定する指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定地域密着型サービス条例第193条第1項に規定する指定看護小規模多機能型居宅介護事業所又は指定地域密着型介護予防サービス条例第45条第1項に規定する指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業所(以下「指定小規模多機能型居宅介護事業所等」という。)が併設される場合においては、当該地域密着型特別養護老人ホームが前各項に定める職員の配置の基準を満たす職員を置くほか、当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等に指定地域密着型サービス条例第83条若しくは第193条又は指定地域密着型介護予防サービス条例第45条に定める人員に関する基準を満たす従業者が置かれているときは、当該地域密着型特別養護老人ホームの職員は、当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等の職務に従事することができる。

15 第1項第2号の医師及び同項第7号の調理員、事務員その他の職員の数は、サテライト型居住施設の本体施設である地域密着型特別養護老人ホームであって、当該サテライト型居住施設に医師又は調理員、事務員その他の職員を置かない場合にあっては、当該地域密着型特別養護老人ホームの入所者の数及び当該サテライト型居住施設の入所者の数の合計数を基礎として算出しなければならない。

(介護)

第46条 介護は、入所者の自立の支援及び日常生活の充実に資するよう、入所者の心身の状況に応じて、適切な技術をもって行われなければならない。

2 地域密着型特別養護老人ホームは、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。

3 地域密着型特別養護老人ホームは、入所者に対し、その心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。

4 地域密着型特別養護老人ホームは、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。

5 地域密着型特別養護老人ホームは、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

6 地域密着型特別養護老人ホームは、入所者に対し、前各項に規定するもののほか、離床、着替え、整容等の介護を適切に行わなければならない。

7 地域密着型特別養護老人ホームは、常時1人以上の介護職員を介護に従事させなければならない。

8 地域密着型特別養護老人ホームは、入所者に対し、その負担により、当該地域密着型特別養護老人ホームの職員以外の者による介護を受けさせてはならない。

(地域との連携等)

第47条 地域密着型特別養護老人ホームは、その運営に当たっては、入所者、入所者の家族、地域住民の代表者、市の職員又は当該地域密着型特別養護老人ホームが所在する区域を管轄する介護保険法第115条の46第1項に規定する地域包括支援センターの職員、地域密着型特別養護老人ホームについて知見を有する者等により構成される協議会(テレビ電話装置等を活用して行う場合のもの(ただし、入所者又はその家族(以下この項において「入所者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該入所者等の同意を得なければならない。)を含む。以下「運営推進会議」という。)を設置し、おおむね2月に1回以上、運営推進会議に対し活動状況を報告し、運営推進会議による評価を受けるとともに、運営推進会議から必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならない。

2 地域密着型特別養護老人ホームは、前項の報告、評価、要望、助言等についての記録を作成するとともに、当該記録を公表するものとする。

3 地域密着型特別養護老人ホームは、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流を図らなければならない。

4 地域密着型特別養護老人ホームは、その運営に当たっては、その提供したサービスに関する入所者からの苦情に関して、市等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他市が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(準用)

第48条 第2条から第9条まで、第12条から第15条まで、第17条から第29条まで、第31条及び第31条の2の規定は、地域密着型特別養護老人ホームについて準用する。この場合において、第9条第2項第3号中「第15条第5項」とあるのは「第48条において準用する第15条第5項」と、同項第4号中「第29条第2項」とあるのは「第48条において準用する第29条第2項」と、同項第5号中「第31条第3項」とあるのは「第48条において準用する第31条第3項」と、第23条第2項中「第7条から第9条まで及び第12条から第31条の2まで」とあるのは「第46条及び第47条並びに第48条において準用する第7条から第9条まで、第12条から第15条まで、第17条から第29条まで、第31条及び第31条の2」と読み替えるものとする。

第5章 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第49条 第2章から前章まで(第45条を除く。)の規定にかかわらず、ユニット型地域密着型特別養護老人ホーム(施設の全部においてユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる地域密着型特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(設備の基準)

第50条 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物(入居者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、次の各号のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

(1) 居室等を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 居室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 当該ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの所在地を管轄する消防長又は消防署長と協議の上、施設内防災計画に入居者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 第52条において準用する第8条第4項に規定する訓練については、施設内防災計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されているものであると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者へのサービスの提供に支障がないときは、第2号から第8号までに掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) ユニット

(2) 浴室

(3) 医務室

(4) 調理室

(5) 洗濯室又は洗濯場

(6) 汚物処理室

(7) 介護材料室

(8) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

(1) ユニット

 居室

(ア) 1の居室の定員は、1人とすること。ただし、入居者へのサービスの提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。

(イ) 居室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けること。ただし、1のユニットの入居定員は、原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとする。

(ウ) 地階に設けてはならないこと。

(エ) 1の居室の床面積等は、10.65平方メートル以上とすること。ただし、(ア)ただし書の場合にあっては、21.3平方メートル以上とすること。

(オ) 寝台又はこれに代わる設備を備えること。

(カ) 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下、共同生活室又は広間に直接面して設けること。

(キ) 床面積の14分の1以上に相当する面積を直接外気に面して開放できるようにすること。

(ク) 必要に応じて入居者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。

(ケ) ブザー又はこれに代わる設備を設けること。

 共同生活室

(ア) 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。

(イ) 地階に設けてはならないこと。

(ウ) 1の共同生活室の床面積は、2平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。

(エ) 必要な設備及び備品を備えること。

 洗面設備

(ア) 居室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数を設けること。

(イ) 介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

 便所

(ア) 居室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数を設けること。

(イ) ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、介護を必要とする者の使用に適したものとすること。

(2) 浴室は、介護を必要とする者の入浴に適したものとすること。

(3) 医務室は、医療法第1条の5第2項に規定する診療所とすることとし、入居者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。ただし、本体施設が特別養護老人ホームであるサテライト型居住施設については、医務室を必要とせず、入居者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けることで足りるものとする。

(4) 調理室

 火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

 サテライト型居住施設の調理室については、本体施設の調理室で調理する場合であって、運搬手段について衛生上適切な措置がなされているときは、簡易な調理設備を設けることで足りるものとする。

5 ユニット及び浴室は、3階以上の階に設けてはならない。ただし、次の各号のいずれにも該当する建物に設けられるユニット又は浴室については、この限りでない。

(1) ユニット又は浴室のある3階以上の各階に通ずる特別避難階段を2以上(防災上有効な傾斜路を有する場合又は車椅子若しくはストレッチャーで通行するために必要な幅を有するバルコニー及び屋外に設ける避難階段を有する場合は、1以上)有すること。

(2) 3階以上の階にあるユニット又は浴室及びこれらから地上に通ずる廊下その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でしていること。

(3) ユニット又は浴室のある3階以上の各階が耐火構造の壁又は特定防火設備により防災上有効に区画されていること。

6 前各項に規定するもののほか、ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。

(1) 廊下の幅は、1.5メートル以上(中廊下にあっては1.8メートル以上)とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張すること等により、入居者、職員等の円滑な往来に支障が生じないと認められるときは、これによらないことができる。

(2) 廊下、共同生活室、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。

(3) 廊下及び階段には手すりを設けること。

(4) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(5) ユニット又は浴室が2階以上の階にある場合は、1以上の傾斜路を設けること。ただし、エレベーターを設ける場合は、この限りでない。

7 本体施設とサテライト型居住施設との間の距離は、両施設が密接な連携を確保できる範囲内としなければならない。

(介護)

第51条 介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の心身の状況等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、入居者の日常生活における家事を、入居者が、その心身の状況等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。

3 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合には、清拭を行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。

4 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、入居者の心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。

5 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない。

6 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

7 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、前各項に規定するもののほか、入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。

8 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、常時1人以上の介護職員を介護に従事させなければならない。

9 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームは、入居者に対し、その負担により、当該ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの職員以外の者による介護を受けさせてはならない。

(準用)

第52条 第3条から第6条まで、第8条第9条第12条から第14条まで、第18条第20条から第23条まで、第24条の2第26条から第29条まで、第31条第31条の2第33条第34条第36条第38条から第41条まで及び第47条の規定は、ユニット型地域密着型特別養護老人ホームについて準用する。この場合において、第9条第2項第3号中「第15条第5項」とあるのは「第52条において準用する第36条第7項」と、同項第4号中「第29条第2項」とあるのは「第52条において準用する第29条第2項」と、同項第5号中「第31条第3項」とあるのは「第52条において準用する第31条第3項」と、第23条第2項中「第7条から第9条まで及び第12条から第31条の2まで」とあるのは「第51条並びに第52条において準用する第8条、第9条、第12条から第14条まで、第18条、第20条から第23条まで、第24条の2、第26条から第29条まで、第31条、第31条の2、第34条、第36条、第38条から第41条まで及び第47条」と読み替えるものとする。

第6章 雑則

(電磁的記録等)

第53条 特別養護老人ホーム及びその職員は、作成、保存その他これらに類するもののうち、この条例の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本、その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されているもの又は想定されるもの(次項に規定するものを除く。)については、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

2 特別養護老人ホーム及びその職員は、説明、同意その他これらに類するもの(以下「説明等」という。)のうち、この条例の規定において書面で行うことが規定されているもの又は想定されるものについては、当該説明等の相手方の承諾を得て、書面に代えて、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によって認識することができない方法をいう。)によることができる。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(特別養護老人ホームの設備に関する経過措置)

2 昭和62年3月9日前に存する特別養護老人ホームの建物であって、この条例の施行の際現に当該特別養護老人ホームの用に供されているもの(平成16年4月1日以後に全面的に改築されたものを除く。)については、第10条第3項第14号第35条第3項第6号第44条第3項第14号及び第50条第3項第6号の規定は、当分の間適用しない。

3 平成12年4月1日前に存する特別養護老人ホームの建物(同日以後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。附則第5項において同じ。)について第10条第4項第1号及び第44条第4項第1号の規定を適用する場合においては、第10条第4項第1号ア及び第44条第4項第1号ア中「1人」とあるのは「原則として4人」と、第10条第4項第1号ウ及び第44条第4項第1号ウ中「10.65平方メートル」とあるのは「収納設備等を除き、4.95平方メートル」とする。

4 昭和62年3月9日前に存する特別養護老人ホームの建物(同日以後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)であって、この条例の施行の際現に当該特別養護老人ホームの用に供されているものについて、前項の規定を適用する場合においては、同項中「原則として4人」とあるのは、「8人」とする。

5 平成12年4月1日前に存する特別養護老人ホームの建物については、第10条第4項第9号ア(食堂及び機能訓練室の合計した面積に係る部分に限る。)及び第44条第4項第9号ア(食堂及び機能訓練室の合計した面積に係る部分に限る。)の規定は、当分の間適用しない。

6 一般病床、精神病床(健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第4条第2項に規定する病床に係るものに限る。以下この項及び附則第8項において同じ。)又は療養病床を有する病院の一般病床、精神病床又は療養病床を令和6年3月31日までの間に転換(当該病院の一般病床、精神病床又は療養病床の病床数を減少させるとともに、当該病院の施設を介護老人保健施設、軽費老人ホーム(法第20条の6に規定する軽費老人ホームをいう。以下同じ。)その他の要介護者、要支援者その他の者を入所又は入居させるための施設の用に供することをいう。)し、特別養護老人ホームを開設しようとする場合において、当該転換に係る食堂及び機能訓練室については、第10条第4項第9号ア及び第44条第4項第9号アの規定にかかわらず、食堂は、1平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上を有し、機能訓練室は、40平方メートル以上の面積を有しなければならない。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができるものとする。

7 一般病床又は療養病床を有する診療所の一般病床又は療養病床を令和6年3月31日までの間に転換(当該診療所の一般病床又は療養病床の病床数を減少させるとともに、当該診療所の施設を介護老人保健施設、軽費老人ホームその他の要介護者、要支援者その他の者を入所又は入居させるための施設の用に供することをいう。)し、特別養護老人ホームを開設しようとする場合において、当該転換に係る食堂及び機能訓練室については、第10条第4項第9号ア及び第44条第4項第9号アの規定にかかわらず、次に掲げる基準のいずれかに適合するものとする。

(1) 食堂及び機能訓練室は、それぞれ必要な広さを有するものとし、その合計した面積は、3平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上とすること。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができること。

(2) 食堂は、1平方メートルに入所定員を乗じて得た面積以上を有し、機能訓練室は、40平方メートル以上の面積を有すること。ただし、食事の提供又は機能訓練を行う場合において、当該食事の提供又は機能訓練に支障がない広さを確保することができるときは、同一の場所とすることができること。

8 一般病床、精神病床若しくは療養病床を有する病院の一般病床、精神病床若しくは療養病床又は一般病床若しくは療養病床を有する診療所の一般病床若しくは療養病床を令和6年3月31日までの間に転換(当該病院の一般病床、精神病床若しくは療養病床又は当該診療所の一般病床若しくは療養病床の病床数を減少させるとともに、当該病院又は診療所の施設を介護老人保健施設、軽費老人ホームその他の要介護者、要支援者その他の者を入所又は入居させるための施設の用に供することをいう。)し、特別養護老人ホームを開設しようとする場合において、第10条第6項第1号第35条第6項第1号第44条第6項第1号及び第50条第6項第1号の規定にかかわらず、当該転換に係る廊下の幅については、1.2メートル以上とする。ただし、中廊下の幅は、1.6メートル以上とする。

9 この条例の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(この条例の施行後に入所定員が増となった場合、その増となった員数に係る居室の部分を除く。)について、第10条第4項第1号アの規定を適用する場合(附則第3項又は第4項の規定により読み替えて適用する場合を除く。)においては、同号ア中「1人」とあるのは、「4人以下」とする。

(ユニット型特別養護老人ホームでないものとみなされるものに関する経過措置)

10 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令(平成14年厚生労働省令第107号)附則第3条第1項の規定により特別養護老人ホームであってユニット型特別養護老人ホームでないものとみなされる特別養護老人ホームについては、第3章の規定は、適用しない。ただし、当該特別養護老人ホームが同章に規定する基準を満たし、その旨を市長に申し出た場合には、この限りでない。

(一部ユニット型特別養護老人ホームに関する経過措置)

11 平成15年4月1日以前に法第15条の規定により設置されている特別養護老人ホーム(同日において建築中のものであって、同月2日以降に同条の規定により設置されたものを含む。以下「平成15年前特別養護老人ホーム」という。)であって、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第106号)による改正前の特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(以下「特別養護老人ホーム旧基準」という。)第43条に規定する一部ユニット型特別養護老人ホームであるもの(平成23年9月1日において現に改修、改築又は増築中の平成15年前特別養護老人ホーム(ユニット型特別養護老人ホームを除く。)であって、同日以後に特別養護老人ホーム旧基準第43条に規定する一部ユニット型特別養護老人ホームに該当することとなるものを含む。以下「一部ユニット型特別養護老人ホーム」という。)のうち、介護保険法第48条第1項第1号の指定を受けている介護老人福祉施設であるものについては、平成23年9月1日以後最初の指定の更新までの間は、なお従前の例によることができる。

(一部ユニット型地域密着型特別養護老人ホームに関する経過措置)

12 平成23年9月1日前に老人福祉法第15条の規定により設置されている地域密着型特別養護老人ホームであって、特別養護老人ホーム旧基準第64条に規定する一部ユニット型地域密着型特別養護老人ホームであるもの(同日において現に改修、改築又は増築中の地域密着型特別養護老人ホームであって、同日後に特別養護老人ホーム旧基準第64条に規定する一部ユニット型地域密着型特別養護老人ホームに該当することとなるものを含む。)のうち、介護保険法第42条の2の指定を受けている地域密着型介護老人福祉施設は、同日以後最初の指定の更新までの間は、なお従前の例によることができる。

(地域密着型特別養護老人ホームにおける1の居室の定員に係る特例)

13 この条例の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(附則第9項の適用を受けている場合に限る。)であって、当該特別養護老人ホームの定員を変更し、地域密着型特別養護老人ホームの用に供しようとするものについて第44条第4項第1号の規定を適用する場合においては、同号ア中「1人」とあるのは、「4人以下」とする。

(平成27年3月30日条例第16号)

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(平成28年3月24日条例第27号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(平成28年12月19日条例第65号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(平成29年3月6日条例第11号)

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号。以下「整備法」という。)附則第11条の規定によりなおその効力を有するものとされた整備法第5条の規定(整備法附則第1条第3号に掲げる改正規定に限る。)による改正前の介護保険法(平成9年法律第123号)第8条の2第7項に規定する介護予防通所介護については、改正前の下関市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例第45条第12項の規定は、なおその効力を有する。

(平成30年3月30日条例第21号)

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(令和3年3月8日条例第11号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和6年3月31日までの間、この条例による改正後の下関市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例(以下「新条例」という。)第2条第5項(新条例第48条において準用する場合を含む。)、第31条の2(新条例第42条、第48条及び第52条において準用する場合を含む。)及び第33条第3項(新条例第52条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは「講じるよう努めなければ」とし、新条例第7条(新条例第48条において準用する場合を含む。)及び第34条(新条例第52条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「、次に」とあるのは「、虐待の防止のための措置に関する事項に関する規程を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(虐待の防止のための措置に関する事項を除く。)」とする。

(業務継続計画の策定等に係る経過措置)

3 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第24条の2(新条例第42条、第48条及び第52条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新条例第24条の2中「講じなければ」とあるのは「講じるよう努めなければ」と、「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、「行うものとする」とあるのは「行うよう努めるものとする」とする。

(認知症に係る基礎的な研修の受講に関する経過措置)

4 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第24条第3項(新条例第48条において準用する場合を含む。)及び第40条第4項(新条例第52条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とする。

(ユニットの定員に係る経過措置)

5 施行日以降、当分の間、新条例第35条第4項第1号ア(イ)及び第50条第4項第1号ア(イ)の規定に基づき入居定員が10人を超えるユニットを整備するユニット型特別養護老人ホーム(新条例第32条に規定するユニット型特別養護老人ホームをいう。以下この項において同じ。)は、新条例第11条第1項第4号ア及び第40条第2項(新条例第52条において準用する場合を含む。)の基準を満たすほか、ユニット型特別養護老人ホームにおける夜間及び深夜を含めた介護職員並びに看護師及び准看護師の配置の実態を勘案して職員を配置するよう努めるものとする。

6 この条例の施行の際現に存する建物(基本的な設備が完成しているものを含み、施行日後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)の居室、療養室又は病室(以下この項において「居室等」という。)であって、この条例による改正前の下関市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例第35条第4項第1号ア(エ)b及び第50条第4項第1号ア(エ)bの規定の要件を満たしている居室等については、なお従前の例による。

(事故発生の防止及び発生時の対応に係る経過措置)

7 施行日から起算して6月を経過する日までの間、新条例第31条第1項(新条例第42条、第48条及び第52条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「次に掲げる措置を講じなければ」とあるのは、「第1号から第3号までに掲げる措置を講じるとともに、第4号に掲げる措置を講じるよう努めなければ」とする。

(感染症の予防及びまん延の防止のための訓練に係る経過措置)

8 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第26条第2項第3号(新条例第42条、第48条及び第52条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、特別養護老人ホーム(老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の5に規定する特別養護老人ホームをいう。)は、その職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修を定期的に実施するとともに、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施するよう努めるものとする。

下関市特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例

平成24年12月25日 条例第60号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第11編 生/第2章 社会福祉/第4節 老人福祉
沿革情報
平成24年12月25日 条例第60号
平成27年3月30日 条例第16号
平成28年3月24日 条例第27号
平成28年12月19日 条例第65号
平成29年3月6日 条例第11号
平成30年3月30日 条例第21号
令和3年3月8日 条例第11号