○下関市太陽光発電事業と地域環境との調和に関する条例

令和4年12月21日

条例第39号

(目的)

第1条 この条例は、太陽光発電事業の実施が生活環境、景観及び自然環境その他の地域環境に及ぼす影響に鑑み、太陽光発電施設の設置及び管理について必要な基本的事項を定めることにより、太陽光発電事業と地域環境との調和を図り、もって下関市民の安全な生活及び下関市の環境の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその附属設備(電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第18号に規定する電気工作物(送電に係るものに限る。)及び建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物に設置するものを除く。)をいう。

(2) 太陽光発電施設 太陽光発電設備及びその附帯施設をいう。

(3) 太陽光発電施設の設置 太陽光発電施設の新設及び増設(これらの行為に伴う木竹の伐採及び土地の形質の変更を含む。)をいう。

(4) 太陽光発電事業 太陽光発電施設を利用し、発電を行う事業で、その出力の合計が10キロワット以上のもの(同一又は共同の関係にあると認められる設置者が、同時期若しくは近接した時期又は近接した場所に設置する太陽光発電施設の合算した出力が10キロワット以上となる場合を含む。)をいう。

(5) 事業区域 太陽光発電事業の用に供する土地の区域をいう。

(6) 事業者 市内において太陽光発電事業を行う者(国及び地方公共団体を除く。)をいう。

(7) 近隣関係者 太陽光発電事業の実施に伴って生活環境又は景観に一定の影響を受けると認められる者として規則で定める者をいう。

(市の責務)

第3条 市は、第1条の目的を達成するために、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講じるものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、太陽光発電事業の実施に当たっては、関係法令を遵守するとともに、災害の発生を防止し、生活環境、景観及び自然環境その他の地域環境に十分配慮し、並びに近隣関係者と良好な関係を保つよう努めるものとする。

(事前協議)

第5条 事業者は、太陽光発電施設の設置を行おうとするときは、規則で定めるところにより、当該太陽光発電事業に関する計画(以下「事業計画」という。)について市長と事前協議を行わなければならない。

(近隣関係者への説明)

第6条 事業者は、前条の事前協議を行った後、次条の規定による届出をしようとする場合は、その事業区域に係る近隣関係者に対し、あらかじめ説明会を開催し、又はその他の方法により周知を図らなければならない。

2 前項の周知を図るに当たっては、事業者は、前条の事前協議の結果を反映した事業計画の内容について近隣関係者の理解が得られるよう努めなければならない。

3 第1項の周知を受けた近隣関係者は、当該事業者に対し、当該事業計画に関する意見を口頭で述べ、又は意見書を提出することができる。

4 事業者は、前項の規定による近隣関係者の意見を踏まえ、必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(事業計画の届出)

第7条 事業者は、太陽光発電施設の設置に関する工事を行おうとするときは、当該工事に着手する日の30日前までに、第5条の事前協議の結果を反映し、及び前条第3項の規定による近隣関係者の意見を踏まえた事業計画について、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

(施設設置の届出)

第8条 前条の規定による届出をした事業者は、当該届出に係る太陽光発電施設の設置に関する工事が完了したときは、速やかに当該太陽光発電施設の設置の内容について、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

(施設設置の変更の届出)

第9条 前条の規定により太陽光発電施設の設置の内容について届け出た事業者は、当該届け出た内容を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、当該変更が規則で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。

(標識の設置)

第10条 事業者は、事業区域の外部から見えやすい場所に、当該事業者の氏名又は名称その他の規則で定める事項を記載した標識を設置し、太陽光発電事業を実施する間、これを維持しなければならない。

(維持管理)

第11条 事業者は、太陽光発電事業を実施する間、災害の防止並びに生活環境、景観及び自然環境その他の地域環境の保全に係る支障が生じないよう、太陽光発電施設及び事業区域内を常時安全かつ良好な状態となるように維持管理しなければならない。

(事業廃止の届出)

第12条 事業者は、太陽光発電事業を廃止したときは、その太陽光発電施設撤去工事完了の日から起算して30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(報告の徴収等)

第13条 市長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、その太陽光発電事業に関する報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入調査等)

第14条 市長は、この条例の施行に関し必要な限度において、当該職員に事業者の事務所、事業所又は事業区域に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。

2 前項の調査又は質問(次項において「立入調査等」という。)を行う職員は、身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 立入調査等の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(指導、助言及び勧告)

第15条 市長は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講じるよう指導又は助言を行うことができる。

2 市長は、事業者が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該事業者に対して、期限を定めて、必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(1) 第5条の規定による事前協議を行わず、又は当該事前協議において虚偽の報告、虚偽の資料の提出等を行ったとき。

(2) 第6条第1項の規定による周知を図る措置を講じなかったとき。

(3) 第7条の規定による届出を行わず、又は当該届出を行う前若しくは当該届出を行った後30日が経過する前に太陽光発電施設の設置に関する工事に着手したとき。

(4) 第8条第9条及び第12条の規定による届出を行わなかったとき。

(5) 第11条の規定による太陽光発電施設及び事業区域内の適正な維持管理を怠り、事業区域外に被害を与えたとき、又は被害を与えるおそれがあるとき。

(6) 第13条の規定により求められた報告若しくは資料について提出を行わず、又は虚偽の報告、虚偽の資料の提出等を行ったとき。

(7) 前条第1項の調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(8) その太陽光発電事業が生活環境、景観及び自然環境その他の地域環境に重大な影響を及ぼすおそれがあると市長が認めるとき。

(9) 前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。

(公表)

第16条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なくこれに従わない場合は、当該事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表を行う場合は、あらかじめ当該事業者に対してその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和5年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から30日を経過する日までの間に太陽光発電施設の設置に関する工事に着手しようとする者に対する第7条の規定の適用については、同条中「当該工事に着手する日の30日前までに」とあるのは、「速やかに」とする。

3 第5条から第7条まで及び第15条第2項第1号から第3号までの規定は、施行日前に設置の工事に着手した太陽光発電施設を利用して太陽光発電事業を行う事業者(以下「既存施設の事業者」という。)については、適用しない。

4 既存施設の事業者に対する第8条の規定の適用については、同条中「前条の規定による届出をした事業者」とあるのは「既存施設の事業者」と、「当該届出に係る太陽光発電施設の設置に関する工事が完了したときは、速やかに」とあるのは「令和6年3月31日までに」とする。

5 既存施設の事業者に対する第10条の規定の適用については、同条中「事業者は」とあるのは「既存施設の事業者は、令和6年3月31日までに」とする。

下関市太陽光発電事業と地域環境との調和に関する条例

令和4年12月21日 条例第39号

(令和5年7月1日施行)