下関市電子計算組織により処理する個人情報の保護に関する条例

平成3年3月30日

条 例  第 5 号

 (目的)  

第1条  この条例は,本市が電子計算組織により処理する個人情報の取扱いについて必要な事項

   を定めることにより,行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ,個人情報を保護し,もって市民の

   基本的人権を擁護することを目的とする。

 (定義)

第2条  この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

 (1) 電子計算組織  定められた一連の処理手順に従って,自動的に処理を行う電子計算機及びその周辺機器により構成される機器の集合体をいう。ただし,専ら文章を作成し,又は文章図画の内容を記録するための機器その他市長が規則で定める機器を除く。

  (2) 個人情報  個人に関する情報であって,特定の個人が識別され,又は識別され得るものをいう。

  (3) 市民  市内に住所を有する個人及び市内に住所を有しないが個人情報が電子計算組織により処理される個人をいう。

  (4) 実施機関  市長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,公平委員会,農業委員会,固定資産評価審査委員会及び水道事業管理者をいう。

  (実施機関の責務)

第3条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を取り扱うにあたっては,市民の基本的人権の擁護に努め,当該個人情報を保護するために必要な措置を講じなければならない。

  (職員の責務)

第4条  電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務に従事する職員(地方公務員法

   (昭和25年法律第261号)第3条に規定する一般職及び特別職に属する本市の職員をい う。)

   又は当該業務に従事する職員であった者は,その業務に関して知り得た個人情報をみだりに

   他人に知らせ,又は不当な目的に使用してはならない。

  (市民の責務)

第5条  市民は,個人情報の保護の重要性を認識し,本市がこの条例に基づき実施する施策に協力するものとする。

  (業務の範囲)

第6条  電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務は,実施機関が所掌する事務の目的達成に必要な範囲内とする。

  (業務の登録等)

第7条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務を新たに開始するときは,市長が規則で定める場合を除き,次に掲げる事項を個人情報登録簿に登録しなければならない。登録された事項を変更するときも同様とする。

  (1) 業務の名称

  (2) 業務の目的

  (3) 個人情報の記録項目

  (4) 対象となる個人の範囲

  (5) 個人情報の管理責任者

  (6) 運用開始(予定)年月日

  実施機関は,前項の規定により登録した業務を廃止したときは,遅滞なく,当該登録を抹消しなければならない。

  実施機関は,個人情報登録簿を縦覧に供しなければならない。

  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務を登録し,当該登録された事項を変更し,又は当該登録された業務を廃止したときは,遅滞なく,市長にその旨を届け出なければならない。

  (収集の制限)

第8条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を収集するときは,実施機関が所掌する事務の目的に従って,適法かつ公正な方法によらなければならない。

  (記録の制限)

第9条  実施機関は,個人情報を電子計算組織に記録する場合は,第6条に規定する業務の範囲内において,必要かつ最小のものとしなければならない。

  実施機関は,法令(他の条例を含む。以下同じ。)に定めがある場合を除き,次の各号に掲げる事項に係る個人情報を,電子計算組織に記録してはならない。

  (1) 思想,信条及び宗教に関する事項

  (2) 不当な社会的差別の原因となる事項

  (3) 犯罪に関する事項

  (4) その他市民の基本的人権を侵害するおそれがあり,実施機関が,第18条第1項に規定する下関市個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)の意見をきいて,記録することが適当でないと認めた事項

  (利用の制限)

第10条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を,当該個人情報を取り扱う業務の目的以外に利用し,又は利用させてはならない。ただし,次の各号のいずれかに該当するときは,この限りでない。

   (1) 法令の定めに基づくとき。

   (2) 実施機関が所掌する事務を遂行するために必要があると認められるとき。

 (3) その他実施機関が審議会の意見をきいて,特に必要があると認めたとき。

  (提供の制限)

第11条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を実施機関以外のもの(以下「外

   部」という。)に提供してはならない。ただし,次の各号のいずれかに該当するときは,この限り 

    でない。

  (1) 法令の定めに基づくとき。

  (2) 実施機関が所掌する事務を遂行するために必要があると認められるとき。

  (3) 公共の福祉の向上その他公益上必要があり,かつ,市民の基本的人権を侵害するおそれがないと認められるとき。

  実施機関は,前項第2号及び第3号の規定により,電子計算組織により処理する個人情報を外部に提供するときは,あらかじめ,審議会の意見をきかなければならない。ただし,緊急やむを得ない場合は,この限りでない。

  実施機関は,前項ただし書の規定により,電子計算組織により処理する個人情報を外部に提供したときは,その理由及び内容を審議会に報告しなければならない。

  実施機関は,第1項第2号及び第3号の規定により,電子計算組織により処理する個人情報を外部に提供するときは,その個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。

  (結合の禁止)

第12条  実施機関は,個人情報を電子計算組織により処理することを目的として,実施機関の電子計算組織と外部の電子計算組織を通信回線等により結合してはならない。ただし,次の各号のいずれかに該当するときは,この限りでない。

  (1) 法令の定めに基づくとき。

  (2) 公共の福祉の向上その他公益上必要があり,かつ,市民の基本的人権を侵害するおそれがないと認められるとき。

  実施機関は,前項第2号の規定により,個人情報を電子計算組織により処理することを目的

    として,実施機関の電子計算組織と外部の電子計算組織を通信回線等により結合しようとす

    るときは,あらかじめ,審議会の意見をきかなければならない。

  (適正な維持管理)

第13条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を常に過去又は現在の事実と合致するよう維持管理し,漏えい,改ざん,滅失,き損及びその他の事故を防止するために必要な措置を講じなければならない。

  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報が不要となった場合は,速やかに当該個人情報を削除しなければならない。

  実施機関は,市長が規則で定める個人情報保護のための管理組織を設置しなければならない。

  (公表)

第14条  市長は,第7条第4項の規定により届出のなされた業務を,市長が規則で定めるところにより,市民に公表するものとする。

  (開示の請求)

第15条  市民は,第7条第1項に定める個人情報登録簿に登録されている業務に係る自己に関する個人情報(以下「自己情報」という。)の開示を請求することができる。

  未成年者又は成年被後見人の法定代理人は,本人に代わって前項の開示を請求することができる。

  実施機関は,前2項の規定による請求があったときは,次の各号に掲げる場合を除き,当該自己情報を開示しなければならない。

  (1) 法令の定めに基づく場合

  (2) 個人の評価,選考,診断等に関するものであって,本人に知らせないことが正当であると認められる場合

  (3) 個人の生命,身体,財産その他の利益を害すると認められる場合

  (4) 公益の確保又は公正かつ適正な行政執行を著しく妨げるおそれが生ずると認められる場合

  実施機関は,第1項又は第2項の規定による請求を受理したときは,受理した日の翌日から起算して15日以内に,前項各号に掲げる場合を除き,市長が規則で定めるところにより,当該請求をした者に当該請求に係る自己情報を開示しなければならない。

  実施機関は,やむを得ない理由により前項の期間内に当該自己情報の開示をすることができないときは,当該請求を受理した日の翌日から起算して30日を限度として,その期間を延長することができる。

  (訂正及び削除の請求)

第16条  前条の規定により自己情報の開示を受けた者は,その開示された自己情報について誤りがあると認めるときは,当該自己情報を開示した実施機関に対して当該自己情報の訂正又は削除を請求することができる。

  実施機関は,前項の規定による請求を受理したときは,受理した日の翌日から起算して30日以内に当該請求に対する決定をし,市長が規則で定めるところにより,当該請求をした者に通知するとともに,当該請求に係る自己情報に誤りがあったときは,当該自己情報を訂正し,又は削除しなければな  らない。

  実施機関は,やむを得ない理由により前項の期間内に同項の決定をすることができないときは,当該請求を受理した日の翌日から起算して60日を限度として,その期間を延長することができる。

  (再調査の申立て)

第17条  第15条又は前条の規定により,自己情報の開示又は訂正若しくは削除の請求を行った者で,当該請求に対する決定について異議のある者は,この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に,当該決定を行った実施機関に対して再調査の申立てをすることができる。

  実施機関は,前項の再調査の申立てがなされたときは,当該申立てが明らかに不適法である

    場合を除き,これを受理し,遅滞なく審議会の意見をきいて,当該申立てについての決定

    をし,その内容に応じて必要な措置を講ずるとともに,その旨を当該申立てをした者に通知

    しなければならない。

  (審議会)

第18条  電子計算組織により処理する個人情報の保護に関する事項について調査審議するため,下関市個人情報保護審議会を置く。

  審議会は,市長の諮問に応じ,次の各号に掲げる事項を調査審議し,答申する。

  (1) 第9条第2項第4号,第10条第3号,第11条第2項,第12条第2項及び前条第2項の規定により審議会の意見を求められた事項

  (2) 前号に掲げるもののほか,電子計算組織により処理する個人情報の保護に関する重要な事項

  審議会は,10人以内の委員をもって組織する。

  審議会の委員は,次の各号に掲げる者の内から市長が委嘱する。

  (1) 市民

  (2) 学識経験者

  審議会の委員の任期は2年とし,補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし,再任を妨げない。

  前各項に定めるもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は市長が定める。

  (委託)

第19条  実施機関は,電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務の全部又は一部を委託するときは,個人情報の保護について必要な措置を講じなければならない。

  第13条第1項及び第2項の規定は,実施機関から電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務の委託を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

  前項に規定する業務に従事する者又は従事していた者は,その業務の処理にあたって知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に使用してはならない。

  (市長の調整等)

第20条  市長は,実施機関に対し,電子計算組織により処理する個人情報の保護について報告を求め,又は指導若しくは助言をすることができる。

  実施機関は,審議会の意見をきこうとするときは,市長に対し,審議会への諮問の依頼をしなければならない。

  (他の法令との調整)

第21条  法令の規定により,個人情報の取扱いに関する手続きが定められている場合は,当該取扱いについてはその定めるところによるものとし,この条例は適用しない。

  (委任)

第22条  この条例の施行に関し必要な事項は,市長が規則で定める。

 

       

  (施行期日)

  この条例は,規則で定める日から施行する。

  (経過措置)

  実施機関が,この条例の施行の日前に開始し,この条例の施行の際に継続している電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務は,この条例の施行の日において新たに開始する電子計算組織により処理する個人情報を取り扱う業務とみなして,第7条第1項の規定を適用する。

  実施機関が,この条例の施行の際,現に外部に提供している電子計算組織により処理する個人情報については,第11条第2項の規定に基づき審議会の意見をきいたものとみなす。

        則(平成12年3月30日条例第4号)

 この条例は,平成12年4月1日から施行する。

   附 則(平成12年12月25日条例第48号)

 この条例は,平成13年4月1日から施行する。