○下関市議員政治倫理条例

平成24年3月7日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、下関市議会基本条例(平成24年条例第1号)第19条第2項の規定に基づき、下関市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって市民に信頼される公正で開かれた民主的な市政の運営に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、市民の代表として市政に携わり、安心で安全な街づくりをはじめ、市民全体の福祉の向上を追求するという自らの責務を深く自覚するとともに、市民の信頼に値する倫理を保持し、その使命の達成に努めなければならない。

2 議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈してはならない。

3 議員は、次条又は第7条に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、自らその疑惑を解明し、市民へ説明するとともにその責任を明らかにしなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民の代表として、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、不正な金品の授受、強制、圧力をかける行為その他人権侵害のおそれのある行為をしないこと。

(3) (市が資本金その他これに準ずるものの2分の1以上を出資(出えんを含む。)している法人を含む。以下同じ。)が行う許可若しくは認可又は請負その他の契約に関し、特定の企業、団体等に有利な取計い又は妨害、排除等の働きかけをしないこと。

(4) 政治活動に関して企業、団体等から寄附を受けないものとし、議員の後援団体についても政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。

(5) 市職員の公正な職務執行を妨げ、又は当該職員の権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(6) 市職員の採用、異動、昇格等人事に関し、不当に関与しないこと。

(誓約書の提出義務)

第4条 議員は、この条例を遵守するための誓約を行うものとし、議員の任期開始の日から30日以内に、誓約書を議長に提出しなければならない。

2 議長は、前項の誓約書を提出しない議員があるときは、その氏名を速やかに公表しなければならない。

(兼業等の報告義務)

第5条 議員は、議員の地位を取得した時に、自ら事業を営み、又は自ら若しくはその配偶者若しくは2親等以内の親族若しくは同居の親族(第3項において「議員等」という。)が主として営利事業を営む法人その他の団体(以下「法人等」という。)の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職(以下「取締役等」という。)に就いているときは、議員の任期開始の日から30日以内に、議長にその旨を記載した書面(以下「兼業報告書」という。)を提出しなければならない。

2 前項の規定の適用に当たっては、議員が取締役等に就いていない場合であっても、次の各号のいずれかに該当するときは、当該議員は当該法人等の取締役等に就いているものとみなす。

(1) 議員が法人等に資本金その他これに準ずるものの20分の1以上を出資しているとき。

(2) 議員が法人等から年額60万円以上の報酬、住宅又は車両の提供を受けているとき。

3 前2項の規定は、議員が自ら事業を営むこととなったとき又は議員等が法人等の取締役等に就くこととなったときに準用する。この場合において、第1項中「議員の任期開始の日」とあるのは、「当該事業を営むこととなった日又は議員等が法人等の取締役等に就くこととなった日」と読み替えるものとする。

4 議員は、議長に提出した兼業報告書の内容に変更があったときは、遅滞なくその旨を記載した書面(以下「兼業変更報告書」という。)を議長に提出しなければならない。

5 議長は、議員が兼業報告書又は兼業変更報告書を提出したときは、当該兼業報告書又は兼業変更報告書を、当該議員が議員として在任している間はいつでも市民の閲覧に供する。

(市との請負契約等に関する努力事項)

第6条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、自己若しくはその配偶者若しくは2親等以内の親族若しくは同居の親族が取締役等をしている法人等又は自己が前条第2項の規定によりその取締役等に就いているものとみなされる法人等に対し、市を相手方とする工事若しくは製造の請負、業務の受託又は物品の売買に係る契約締結の辞退を求めるよう努めるものとする。ただし、災害等で緊急を要するときは、この限りでない。

(指定管理者の指定に関する遵守事項)

第7条 議員は、自らが取締役等をしている法人等が、市から地方自治法第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)に指定されたときは、当該法人等の取締役等を辞任しなければならない。

(調査請求の手続き)

第8条 議員が第3条又は前条の規定(以下「遵守義務」という。)に違反する疑いがあると認めるときは、市民にあっては議員の選挙権を有する者の500分の1以上の者の連署をもって、議員にあっては5人以上の者の連署をもって、それぞれの代表者(以下「請求代表者」という。)から、議長に対し、議員の遵守義務に違反する行為の存否に関する調査の請求(以下「調査請求」という。)をすることができる。この場合において、請求代表者は、調査請求の対象となる議員(以下「関係議員」という。)の氏名並びに調査請求の対象となる具体的な内容及び該当する政治倫理基準を記載した調査請求書に、関係議員が遵守義務に違反していると疑うに足る事実を証する資料を添付し、議長に提出しなければならない。

2 議長は、前項に規定する調査請求書を受理したときは、その記載内容及び添付書類について確認し、不備があると認めるときは、相当の期間を定めて請求代表者にその補正を命ずることができる。

3 議長は、調査請求が第1項に規定する要件を満たしていないとき、又は請求代表者が前項に規定する補正命令に従わないときは、当該請求を却下するものとする。

4 第1項の議員の選挙権を有する者とは、調査請求をする日において、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条の規定により選挙人名簿に登録されている者とする。

(議員政治倫理調査特別委員会の設置等)

第9条 議長が前条第2項に規定する確認の結果、請求が適正であると認めたときは、議会の議決により議員政治倫理調査特別委員会(以下「委員会」という。)を設置し、期限を付して当該調査請求に係る事案(以下「審査事案」という。)の審査を委員会に付託する。

2 委員会は、委員8人以内をもって組織する。

3 委員会の組織及び運営については、この条例に定めるもののほか、下関市議会委員会条例(平成17年条例第320号)及び下関市議会会議規則(平成17年議会規則第1号)の定めるところによる。

(遵守義務違反の審査等)

第10条 委員会は、審査事案の審査を付託されたときは、遵守義務に違反する行為の存否及び必要な措置について審査する。

2 委員会は、関係議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 委員会が遵守義務違反があると決した場合の関係議員に対する措置は、次のとおりとする。ただし、2以上の措置をあわせて講じるよう決することを妨げない。

(1) 議場における議長の注意

(2) 議場における謝罪文の朗読

(3) 議会の特別委員の辞任勧告

(4) 議員が就任している職で議長が別に定める職の辞任勧告

(5) 議員辞職勧告

4 委員会は、遵守義務違反がないと決したときは、関係議員の名誉を回復する措置を、あわせて決定しなければならない。

(関係議員の協力義務)

第11条 関係議員は、委員会から審査に必要な資料の提出又は委員会への出席を求められたときは、これに従うものとする。

2 委員会の委員長は、関係議員が前項の要求を拒否したとき、又は虚偽の資料の提出若しくは陳述をしたときは、その旨を公表するものとする。

(審査結果の措置等)

第12条 議会は、委員会が審査事案の審査を終了したときは、その審査結果を会議に諮らなければならない。

2 議会は、前項の議決に際しては、関係議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 議長は、第1項の規定による議決をした日から7日以内に、当該審査事案の請求をした請求代表者に議決結果を送付するとともに、その概要を速やかに公表しなければならない。

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に議員である者に対する第4条及び第5条の規定の適用については、第4条及び第5条中「議員の任期開始の日」とあるのは、「この条例の施行の日」とする。

3 第7条の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)において現に指定管理者に指定されている法人等(以下「対象法人等」という。)の取締役等をしている議員に対しては、施行日から次の各号のいずれか早い日までの間は、適用しない。

(1) 対象法人等が施行日において受けていた指定管理者としての指定に係る期間が終了した日

(2) 対象法人等の取締役等をしている議員が取締役等でなくなった日

(平成26年12月18日条例第72号)

この条例は、平成27年2月13日から施行する。

(平成27年6月25日条例第49号)

この条例は、公布の日以後初めてその期日を告示される一般選挙による議員の任期の開始の日から施行する。

下関市議員政治倫理条例

平成24年3月7日 条例第2号

(平成31年2月13日施行)