目の病気

 白内障、翼状障、緑内障の症状や治療についてご紹介します。

白内障について

眼球断面図 ■白内障とは
白内障とは水晶体の濁る病気です。水晶体はカメラに例えるとレンズに相当します。病気とはいうものの誰でも年を取れば水晶体は濁ってきますので老化の一種であると言えます。ただし濁る場所や濁り方によって見え方は様々です。

■白内障の症状
視力低下
かすんで見える
まぶしい
ぼやける
色の鮮やかさが乏しい

■白内障の治療
点眼薬がありますが、一度濁った水晶体を透明に戻すことはできず、進行を遅らせると言われています。現在のところ、根本的な治療法としては手術をして濁った水晶体(白内障)を取り除くしかありません。

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翼状片について

■翼状片とは
角膜(黒目)の中央に向かって結膜(白目)が進入してくる病気です。鼻側だけの場合が多いとされていますが,耳側の場合もあり,鼻側と耳側の両方から進入してくることもあります。原因は,紫外線による刺激などが考えられ,外で働く人に多く見られます。

疾病の一例
翼状片の一例翼状片の一例

■翼状片の治療
自然に治ったり,点眼薬や内服薬で治癒させたりすることはできません。侵入の程度が軽度の場合や美容的に目立たないものは,まず経過を観察します。ある程度,膜が角膜内に侵入してきた場合,頻繁に充血したり,異物感の強い場合,見え方や美容的に問題のある場合は手術治療を行います。

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緑内障について

■緑内障とは
緑内障とは眼圧(目の硬さ),血流障害などの原因によって視神経が障害され,視野(見える範囲)が狭くなってしまう病気です。最近の調査で40歳以上では17人に1人,日本全体では約300万人の患者がいることがわかってきましたが,実際に病院で治療を受けている人はそのうちの20%に満たないといわれています。初期の緑内障では自覚的な症状はほとんどないため,視野の障害を自覚して眼科を受診したときには,すでに病気が進行してしまっている場合もあります。現在の医療では,緑内障により狭くなった視野を回復させることはできないため,早期発見,早期治療が重要です。

緑内障による視野障害の進行(右目)
緑内障による視野障害の進行

正常:
視野の中で盲点(視神経乳頭の部位には網膜がないためおこる)のみが見えない部位として存在。両眼でみる場合には他眼でカバーされる。
初期:
見ている場所の少し周辺や鼻側に軽度の視野欠損が生じる。鼻側の視野障害は左眼で補うことができるため,自覚しにくい。
中期:
だんだん視野狭窄が大きくなる。
末期:
視野は狭くなっているが,中心は見えるため,視力は保たれる。さらに放置すると失明となる。

■緑内障の種類と症状
眼圧が急上昇して視神経が急激に障害されるタイプ(急性緑内障)と,ゆっくりと少しずつ障害されるタイプ(慢性緑内障)があります。急性緑内障は遠視の方や中年以降の女性に多く,急性発作の前に頭痛や肩こり,街灯や蛍光灯の周りに虹がかかるなどの症状を自覚することがあります。急性発作はおもに夕方から夜半にかけて,急激な目の痛みと視力低下,吐き気,頭痛や充血などをおこします。頭痛の治療のために外科や内科を急患として受診することもありますが,早期に適切な治療を開始する必要があるため,眼科で検査を受けなければなりません。慢性緑内障では初期には自覚症状はほとんどありません。

■緑内障に対する検査
緑内障の診断には通常の診察の他に眼圧検査,精密眼底検査,視野検査などが必要となります。自覚症状が出にくいため,40歳以上では住民検診や職場検診で眼圧検査,眼底検査などが行われます。検診で異常を指摘された場合は速やかに眼科で精密検査を受けることが重要です。その他,家族が緑内障の場合には一度精密検査を受けた方がいいでしょう。

●眼圧検査
目の硬さを調べる検査です。点眼麻酔後に目に直接測定器具を当てる検査法と空気を目の表面に当てて測定する検査法があります。緑内障の診断,定期検査,治療効果の判定に重要な検査です。

●眼底検査
視神経の状態を調べるために,目の奥(視神経乳頭)を観察する検査です。精密検査のためには散瞳(目薬を用いて瞳孔を開くこと)が必要な場合があります。一度散瞳すると5-6時間程度まぶしい状態が続き,見えにくくなりますので,自動車の運転や目を使う作業などはできなくなります。

●視野検査
見える範囲を測定する検査です。片眼につき10-20分程度かかります。病気の状態により数ヶ月に一度行い,緑内障の進行の程度を判定します。

■緑内障の治療
緑内障により一旦障害された視神経を回復することはできません。そのため,緑内障と診断された場合には少しでも早く治療を始めなければなりません。緑内障の進行をおさえるために,眼圧を下げる様々な治療を行います。

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