下関市立美術館


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コレクション―版画

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コレクション紹介

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  • こちらに掲載されている作品が展示中かどうかについては美術館までお問い合わせください。
  • コレクションは年4~5回程度、テーマや内容を変えて「所蔵品展」の中でご紹介します。特別展の会期中は所蔵品の展示はありませんので、ご注意ください。

版画

ジュール・シェレ
『ジャルダン・ド・パリ』

1890年制作・石版・紙
ジュール・シェレ『ジャルダン・ド・パリ』『ジャルダン・ド・パリ』はシャンソン酒場のための多色刷りポスターである。 1880年代はじめ、出版の自由が認められ、街頭広告への規制もゆるめられたことを背景に、1890年代、人口200万人の大都市パリではこれら華やかなポスターが街の壁面を埋めるように貼られていた。 シェレは19世紀末パリにおけるポスター黄金時代を代表する作家であるが、それ以上に石版技術の可能性を長年にわたって追求してきた先駆者でもあった。 この作品はシェレ特有の快活でわきたつような感覚が満ちている。 ゆらめくような空気や人工的な光線の質が的確にとらえられ、その場に流れる歓楽と感傷がないまぜになった気分が臨場感をともなって伝わってくる。

ジュール・シェレ Jules CHERET(1836年~1932年)
印刷工の子としてパリに生まれる。パリ・ロンドンで印刷技術を学んだ後、石版印刷所を創設し多くのポスターを世に送る。 彼の女性を主題にした多色刷りの華麗な作品は、広告媒体に過ぎなかったポスターを芸術の域に高め、「ポスターの父」と称される。

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アルフォンス・ミュシャ
『ジョブ』

1898年制作・石版・紙
アルフォンス・ミュシャ『ジョブ』ミュシャは煙草用巻紙製造会社ジョブ社のために、1897年と1898年に2点のポスターを製作している。 この作品は前年の作品に比べ、ミュシャスタイルの様式化が進んでいると見ることもできる。背景には図案化されたアラベスク文字のようなJOBの文字が一面に並ぶ。 胸元のブローチにもそれは取り入れられている。 全体が中央背後の円環に支えられた曲線的なリズムで統一される中で、ドレスと煙の折線がアクセントになっている。 髪の表現に見られるような連続曲線は、ミュシャに限らずアール・ヌーヴォー全般の特徴である。その多くは植物の葉や蔓などを原型としている。 そのある部分はジャポニズムやさらに西アジアの美術に由来しているといえようが、同時に世紀末のヨーロッパでは限りなく生成する生命の象徴でもあった。 アール・ヌーヴォー(=新しい芸術)という名称にふさわしい躍動感がそこには秘められている。

アルフォンス・ミュシャ Alphonse MUCHA(1860年~1939年)
チェコのモラヴィアに生まれる。プラハ、ミュンヘンで美術を学び、パリに出て伝説的な女優サラ・ベルナールのポスターを手がけ一躍有名となる。 曲線を多用した大胆な構図と濃密な色彩により、甘美な女性美を追求した。

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アンリ・トゥールーズ=ロートレック
『ディヴァン・ジャポネ』

1893年制作・石版・紙
アンリ・トゥールーズ=ロートレック『ディヴァン・ジャポネ』『ディヴァン・ジャポネ』とは「日本の長椅子」の意で、日本のイメージを売り物にしていたモンマルトルのカフェ=コンセール(芸術キャバレー)の名称である。 「日本へのオマージュ」といわれるこの作品であるが、そのゆえんは日本的手法、すなわちロートレックが浮世絵から学んだ精神とスタイルにある。 ジュール・シェレの軽妙な作風が席巻していたポスターの世界に、ロートレックが示した退廃味を帯びた浮世絵風の表現はかなり刺激的なものであった。 そもそもロートレックの浮世絵版画への傾倒は、親友ゴッホの浮世絵への熱狂に感化されて始まった。 有名人(このポスターの中心となっているのは「爆薬」の異名をとった踊り子ジャヌ・アヴリル)をも含めた風俗への視線、形態の切り取り方と配置、 日本的な色彩の選択など、『ディヴァン・ジャポネ』はロートレックのポスターの完成態を示す作品である。

アンリ・トゥールーズ=ロートレック Henri TOULOUSE-LAUTREC(1864年~1901年)
南フランスの名門貴族の家に生まれる。パリに出て、ドガの影響を受ける。モンマルトルの居酒屋や娼家などの情景を、油彩や水彩で辛らつに描く。 ポスターも多く制作し、彼の芸術性の高い作品は近代ポスターの興隆に貢献した。

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