クリニカルラダー

豊田中央病院クリニカルラダー

定義 レベル Ⅰ(新人)
JNA版ラダ― JNA版ラダ― JNA版ラダ― JNA版ラダ― JNA版ラダ―
レベル毎の定義 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する 幅広い視野で予測的判断をもち看護を実践する より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する
看護の核となる実践能力  ニーズをとらえる力 【レベル毎の目標】 助言を得て患者・家族や状況(場)のニーズをとらえる 患者・家族や状況(場)のニーズを自らとらえる 患者・家族や状況(場)の特性をふまえたニーズをとらえる 患者・家族や状況(場)を統合しニーズをとらえる 患者・家族や状況(場)の関連や意味をふまえニーズをとらえる
【行動目標】
情報収集・退院支援
アセスメント
□助言を受けながら患者・家族に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる
□患者・家族の状況から緊急度をとらえることができる
□自立して患者・家族に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる              
□得られた情報をもとに、患者・家族の全体像としての課題をとらえることができる
□患者・家族に必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から個別性を踏まえ必要な情報収集ができる            
□得られた情報から優先度の高いニーズをとらえることができる       
□予測的な状況判断のもと身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる
□意図的に収集した情報を統合し、ニーズをとらえることができる
□複雑な状況を把握し、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から患者・家族の多様な状況やニーズの情報収集ができる
□患者・家族や周囲の人々の価値観に応じた判断ができる
【レベル毎の看護実践】 □助言を受けながら、患者の状態に応じたバイタルサインの観察とフィジカルアセスメントできる。
□助言を受けながら、患者の疾患・治療について情報収集することができる。
□助言を受けながら、致死的不整脈や意識障害など生命の危機に関わる緊急性のある異常を発見できる。
□自立して、患者の状態に応じたバイタルサインの観察とフィジカルアセスメントできる。
□自立して、他職種と情報交換し必要な情報を収集できる。
□自立して、患者と関わり情報収集をもとに患者の問題点を考えることができる。
□個別性をふまえ生活習慣など患者の状況をとらえ入院生活や退院支援に必要な情報を得ることができる。
□受け持ち患者の複数の問題から優先順位を明らかにすることができる。
□患者の状態から必要に応じて観察項目やケア項目を追加できる。
□疾患の予後や退院後を予測し、患者の役割、疾患への思いを焦点化し確認することができる。
□収集した情報を統合し、ニーズを考えることができる。
□様々な視点から迅速に患者の状況をとらえ判断し、複雑な状況や多様なニーズをとらえ、必要な介入を判断できる。
□患者と患者を取り巻く様々な人の価値観をすり合わせ多角的側面からニーズを捉えることができる。
ケアする力 【レベル毎の目標】 助言を得ながら、安全な看護を実践する 患者・家族や状況(場)に応じた看護を実践する 患者・家族や状況(場)の特性をふまえた看護を実践する 様々な技術を選択・応用し看護を実践する 最新の知見を取り入れた創造的な看護を実践する
【行動目標】
看護技術
□指導を受けながら看護手順に沿ったケアが実施できる
□指導を受けながら、患者・家族に基本的援助ができる
□看護手順やガイドラインに沿って、基本的看護技術を用いて看護援助ができる
□患者・家族の個別性を考慮しつつ標準的な看護計画に基づきケアを実践できる
□患者・家族に対してケアを実践する際に必要な情報を得ることができる
□患者・家族の状況に応じた援助ができる
□患者・家族の個別性に合わせて、適切なケアを実践できる
□患者・家族の顕在的・潜在的ニーズを察知しケアの方法に工夫ができる
□患者・家族の個別性をとらえ、看護実践に反映ができる
□患者・家族の顕在的・潜在的なニーズに応えるため、幅広い選択肢の中から適切なケアを実践できる
□幅広い視野で患者・家族をとらえ、起こりうる課題や問題に対して予測的および予防的に看護実践ができる
□患者・家族の複雑なニーズに対応するためあらゆる知見(看護および看護以外の分野)を動員し、ケアを実践・評価・追求できる
□複雑な問題をアセスメントし、最適な看護を選択できる
【レベル毎の看護実践】 □指導を受けながら分からないところを声に出し、手順に沿ったケアを実践し振り返ることができる。
□指導を受けながら、基本的看護技術を実践し、生活行動の援助ができる。
□急変時には、指示を受けながら行動できる。
□患者の既往歴、背景を考慮して標準的看護計画を追加・変更し看護計画に沿ったケアを実践できる。
□患者の状態を把握し必要に応じて、時間調整や疼痛コントロールなどに配慮できる。
□急変時には、指示をされたケアは責任を持って実践できる。
□患者の入院前からの習慣について情報収集し、個別性を活かしたケアを看護計画に取り入れ、実践できる。
□優先順位を考えた業務の組み立てができる。
□急変時には速やかに落ち着いて行動し、家族などに配慮することができる。
□患者の予後と治療による影響から患者の退院後の生活を考え、ニーズを明らかにしケアを実践できる。
□患者の生活習慣や価値観など意思決定を考慮して、今後起こりうる課題や症状について予測したうえで患者の思いや理解度を確認しながら対処法や予防方法を段階的に提案し、退院指導ができる。
□急変時には、原因や今後の展開を予測しながら患者及び家族への対応と今後の準備ができる。
□倫理的視点に立ち、コミュニケーション能力を発揮し、各患者に応じた対応ができる。
□患者の予後と治療による影響により、患者の希望に沿った生活が困難な状況であっても患者のQOLや生活の可能性を広げるケアを提案することができる。
□急変時には、原因や今後の展開を予測しながら患者及び家族への対応と、今後の準備ができる。実践の評価を次に繋げることができる。
協働する力 【レベル毎の目標】 関係者と情報共有ができる 看護の展開に必要な関係者を特定し、情報交換ができる 患者・家族やその関係者、多職種と連携ができる ケアの患者・家族を取り巻く多職種の力を調整し連携できる 患者・家族の複雑なニーズに対応できるように、多職種の力を引き出し連携に活かす
【行動目標】
人間関係
組織人として
□助言を受けながら患者・家族を看護していくために必要な情報が何かを考え、その情報を関係者と共有することができる
□助言を受けながらチームの一員としての役割を理解できる
□助言を受けながらケアに必要と判断した情報を関係者から収集することができる
□患者・家族を取り巻く関係者の多様な価値観を理解できる
□連絡・報告・相談ができる
□患者・家族を取り巻く関係者の立場や役割の違いを理解したうえで、それぞれと積極的に情報交換ができる
□関係者と密にコミュニケーションを取ることができる      
□看護の展開に必要な関係者を特定できる
□看護の方向性や関係者の状況を把握し、情報交換できる
□患者・家族の個別的なニーズに対応するために、その関係者と協力し合いながら多職種連携を進めていくことができる
□患者・家族とケアについて意見交換できる    
□積極的に多職種に働きかけ、協力を求めることができる
□患者・家族がおかれている状況(場)を広くとらえ、結果を予測しながら多職種連携の必要性を見極め、主体的に多職種と協力し合うことができる
□多職種間との関わりで、自己のコミュニケーション能力が発揮できる
□複雑な状況(場)の中で見えにくくなっている患者・家族のニーズに適切に対応するために、自律的な判断のもと関係者に積極的に働きかけることができる
□多職種連携が十分に機能するよう、その調整的役割を担うことができる
□関係者、多職種間の中心的役割を担うことができる
□目標に向かって多職種の活力を引き出すことができる
【レベル毎の看護実践】 □看護チームの一員であることを理解し、日々の患者へのケアを、他の看護師と協働して行う。常に自らのもつ情報を他の看護師に連絡し、患者の状態について報告し、判断できないことや経験のない処置やケアについて相談できる。
□医師、看護師、認定看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、放射線技師、メディカルソーシャルワーカー、事務等の役割を理解できる。
□部署のカンファレンスで自らの持つ情報を提供して関係者と共有できる。
□患者に関わる多職種の役割を理解し、必要に応じて多職種の協力の必要性に気付くことができる。
□患者の疾患の状態、検査結果、治療方針を主治医と確認し、患者の訴えや受け止めている思いを医師に伝える。看護チームに情報提供し、看護の方針を確認できる。
□早期カンファレンスに向け自らカンファレンスを計画し、積極的に発言することで、患者の思いや希望などの必要な情報を関係者と共有することができる。
□入院時から、患者の退院後の生活を思い浮かべて、キーパーソンは誰か、どのような条件であれば退院できるか、どの職種と連携すればその条件を達成できるか、多職種に働きかけ、協力を求めることができる。
□看護師間で積極的に情報共有する。治療方針や検査結果、ケアの内容を多職種で共有し意見を聞くことが出来る。定期的なカンファレンスだけでなく、患者の状況に応じ早期カンファレンスを実施できる。
□診療報酬などの社会制度を理解した上で退院調整ができる。
□退院支援において、患者の退院後の生活を予測した上で、主体的にケアマネージャーや地域連携室と退院後の生活の場について話し合うことができる。
□退院調整では、継続看護の情報を提供でき、多職種と退院後の連携について話し合うことができる。
□連携では、各職種が役割を効果的に発揮できるチーム目標を共有して連携を促進する。カンファレンスでは問題解決へ導くことができる。
□看護部内では、個々の看護師が役割遂行できるよう支援者となることができる。
□多職種連携では、院外の必要な連携に気付き調整することができる。
□当院に不足している機能に気づき、補完するための資源の提案ができる。
意思決定を支える力 【レベル毎の目標】 患者・家族の意向を知る 患者・家族の意向を看護に活かすことができる 患者・家族に意思決定に必要な情報提供や場の設定ができる 患者・家族の意思決定に伴うゆらぎを共有でき、選択を尊重できる 複雑な意思決定プロセスにおいて、多職種も含めた調整的役割を担うことができる
【行動目標】
倫理的配慮
□助言を受けながら患者・家族の思いや考え、希望を知ることができる □患者・家族の思いや考え、希望を意図的に確認することができる
□確認した思いや考え、希望をケアに関連づけることができる
□患者・家族の意思決定に必要な情報を提供できる
□患者・家族の意向の違いが理解でき、多職種に伝えることができる
□患者・家族の意思決定プロセスに看護職の立場で参加し、適切な看護ケアを実践できる □適切な資源を積極的に活用し、患者・家族の意思決定プロセスを支援できる
□法的および文化的配慮など多方面から患者・家族を擁護した意思決定プロセスを支援できる
【レベル毎の看護実践】 □助言を受けながら、患者や家族の思いや考え希望を確認することが必要であると気付き、思いの表出ができなくとも頻回に訪室して患者・家族に寄り添うことができる。
□患者や家族の思いや考え、希望を確認しパートナーの看護師に伝えることができる。
□患者や家族の思いや考え、希望を確認した際には、その背景や理由について確認することができる。
□患者や家族の思いや考え、希望をケアに関連付け、反映させることができる。
□説明に対する患者や家族の認識と医療者の認識とのずれに気付き、追加説明の調整ができる。
□患者や家族に、療養の場や治療・検査について、選択肢の特徴を説明、提案するなど意思決定を支えることができる。
□患者と家族にとって、何が大事なのかという価値観、生き方、意向を引き出し、それぞれの気持ちを聞く。患者と家族の意向が異なる場合においても両者の思いを理解し、患者と家族の現在ある状況を多職種に伝えることができる。
□患者の訴えを表面的に受け止めず、思い込みではない判断ができる。
□患者と家族の思いを引き出し、自ら決定できたり、考えたりできるよう様々な案を提示し、積極的に関わることで意思決定プロセスを促進させることができる。
□患者や家族の、医療スタッフの意向が異なる場合、意向の違いの原因をとらえ調整することができる。
□患者と家族の意思決定に関わる揺らぎに寄り添い支えることができる。
□患者と家族が自ら決定できたり、考えたりすることができるよう目的に向かって多職種と連携し意思決定プロセスを支援できる。
□患者と家族の思いは日々変化していることを理解し、多角的な視点から患者と家族を尊重し、寄り添い続けることができる。
□意思決定場面において、患者の尊厳を尊重した意思決定のために、適切な資源を積極的に活用し、調整できる。

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